2022年11月22日火曜日

和漢船用集から大工道具 鉋 鋸

 

江戸時代後期に出版された
大工道具に関する記述を
一部紹介したいと思います

まずこちらは天然砥石
青礪と書いてメナシトと
ルビが振られています

曲鐁(曲やりがんな)と書いて
ナマソリと読ませているのは
興味深い
そしてここでも鉋は
ツキカンナとルビが振ってあります

台鉋の種類

鋸の種類

横挽専用を挽切としています

こちらは
今回手に入れた古い鋸

左端は新品


さっそく仕事で使ってみました

黒檀挽き

修復中のフランス製
ジェラ マンドリンのブリッジ

こちらは上の画像右端の
挽切の銘
中屋長次郎でしょうか・・

こちらは画像にはないものですが
導突鋸の銘
小池守政でしょうか
ということは長野県諏訪の
鋸鍛冶かもしれません
その後に清人か清介と
読める別タガネの文字があります


2022年11月18日金曜日

ホバリング虻 そして職人絵の猫と犬


小春日和
まだ咲いている
ムラサキツユクサに
虻・アブがやってきた
ホバリングが
素晴らしい!



突然ですが
回る水差しの底を磨いたら

回転時間が延びた

こちらは
鍬形蕙斎が描いた
職人尽絵詞に描かれている猫




そして犬


こちらは
鎌倉時代に描かれた
一遍聖絵
Ippen-hijirie 
に描かれている犬




2022年11月15日火曜日

改造小刀 そして鉋


古い刀を小刀に改造


仕事で使ってみました

こちらは寸八ハイス鋼
ローズウッド薄板削り
ローズウッド特有の交錯した
逆目もほぼ止まっています

以前紹介しましたが
和漢三才図会では
鉋は「つきがんな」と
ルビが振ってあります


江戸時代に描かれた鉋は

引いて使われていますが
大陸では押して削るので
中国から日本に
伝わってきた鉋は
つき(突き)がんなと
呼ばれていたものと思われ
それを日本では
引いて使うように
なったものと思われます

押して削る中国の鉋


西洋鉋も押して使う
因みに、鋸(のこぎり)は
日本では引いて使いますが
西洋では押して使います

2022年11月13日日曜日

美しい装飾 そして琵琶を渡す作法

 

素晴らしい装飾の
19世紀ギター
とても真似できません






弦長短めのギターですが
ナットの弦幅は37mm弱
(通常は39mm前後)
現代のギターは
標準的なもので43mm前後

ブリッジの弦幅は63mm
これも広めで
通常は60mmが多い
現代のギターは57mm前後


こちらは
江戸時代に出版された
女用訓蒙図彙
joyoukunmouzui 
ここでは琵琶を渡すときの
作法も説明されていますが
よく状況が掴めません

「琵琶は弾くときのやうに抱きて、頸を左の手にて縦に取りなし、右の手を撥面の上を越して磯の方を抱えてだい(台か?)の方を畳に立てて押し廻して琵琶を仰向けて海老の尾の方を左になるやうに渡すべし」(意味が掴みやすいように適宜こちらで漢字に換えた平仮名もあります)。「海老の尾の方を左になるやうに」は琵琶を受け取る相手から見て左、ということでしょうか・・?


因みにこれらは
江戸時代に描かれた
女性が弾いている琵琶の絵

これは鎌倉時代に
描かれたもの

2022年11月11日金曜日

紅葉と朝顔 そして窓鋸


今朝の工房裏

紅葉とアサガオ

さすがに朝顔の花は小さい

長年探し求めていた
細身の窓鋸とようやく
巡り会えた
刃渡り一尺一寸五分
約350mm



試し挽き動画

銘は中屋長兵衛か・・
この銘は堤章氏の著書
「会津の鋸鍛冶」では
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