2022年12月25日日曜日

我が家のクリスマスツリー


我が家のクリスマスツリー






こちらはエル・グレコの祭壇画。大塚国際美術館にある複製祭壇画はタイル製だが、祭壇は本場イタリアの伝統ある工房で作られたもので、制作費は数億円だったらしい。祭壇に収められている絵も現在では散逸していて、複製タイル画の配置は日本人研究家によって決められたとうのも興味深い。そのことについて書かれた、玉岡かおる氏の小説「われ去りしとも美は朽ちず」は感動的!

因みにエル・グレコは
ギリシャ人で本名は
ドメニコス・テオトコプーロス
これは知らなかった

2022年12月21日水曜日

匠家必用記 序文 そして描かれた猫

 

まずこの浮世絵
始めて目にした
黒漆で仕上げられた
三味線箱に写る
自分の姿を威嚇する猫
発想が素晴らしい!
狂歌と思われる一句めは
「うつろふる かげにもくるふ 猫柳 目もはるほどに みゆるはつ春」でしょうか
二句めは「兄とのふ(唱ふ) 梅にさひつる(囀る) 鶯の いろね(色音)にまさる(勝る) うたひ女の声」か・・
間違いがありましたら、訂正願います

こちらは先般紹介した
匠家必用記の序文
読み下しをUPしておきます
「匠家必用記自序
薬師仏を以て医の祖神として、菅丞相(菅原道真)を鍛冶の祖神として、藍染を以て染匠(こんや)の祖神とし、布袋和尚を福神とし(する・か?)類皆是俗説の所為なり。所謂日本番匠のそじんも大略これなりと同じふして神徳を失ふ。昔より書に載て神徳仰といへども事委からず。或はその文堅して番匠の童是をみること難し故に

俗説混雑して末に走る人は多く其元にいたる人は万にして一人のみ。僕此職ならねども家業のいとまに神書をけみし折々其御神名の所に至りて御しんとくのかくれ給ることをなげきて終に不得已(やむをえず)して此ことを書す。号(なづけ)て匠家必用記といふ。博識人のみる可(べく)書にあらず。
唯を番匠童をして其理を覚さしめんが為なり。譬(たとえ)ば正誤は宮殿のごとく

書を階梯のごとし。番匠の童職のいとまとに此書をみるに自然と彼宮殿に至り易からんが。始に専番匠の神のこんざつせることを弁じ、次に神代のむかし語を写して番匠の神の神とくをのべ、終に宮造り鳥井(鳥居に)至るまで。そのうへ実を現し又屋造り吉凶の弁を加へて三巻となしぬ。
実に此職たる人の其元を求る一助

とせば少の益もあらんがしと拙き言の葉を筆してばんじやう(番匠) のわらんべ (童) にそなふることしかり。
美ノ作国津山  立石定準 誌
宝暦五 己亥 (つちのと い) 歳 」

これは職人絵に描かれた
番匠図ですが
弟子と思われる子供(童)も
描かれています
江戸時代には寺子屋もあり
子供に読み書きを
教えていたようなので
今回紹介した文字くらいは
読めていたのかもしれません

2022年12月20日火曜日

工房の様子 19世紀ギター Lacote タイプ

 

製作中のラコート・タイプ
ヘッドに貼る黒檀の化粧板を
縦挽き専用替え刃式鋸で
挽き出しているところ 



化粧板を貼った後
ヘッドを作っていく


こちらは響板

そしてメープル裏板

2022年12月16日金曜日

工房の様子 細身の窓鋸


製作中の19世紀ギター
特注ラコート・タイプ
弦長630mm
横板を組み上げたところ 


そしてネックを作っていく
昔の挽切鋸で桂材を製材

こちらは修復中のマンドラの
ヘッド材にするメープル材の製材

使った鋸はこれも古い窓鋸
細身の窓鋸は珍しい
刃渡り一尺二寸:約36cm

窓鋸はこのような横挽きにも

縦挽きにも使うことができる


こちらはハードメープルの製材
挽き始めから終わりまでの



端材オブジェ




2022年12月14日水曜日

匠家必用記 鉇のルビ

以前紹介した「鉇」という字について

通常この字はヤリガンナと読みますが江戸時代後期の絵師鍬形蕙斎は職人絵の説明で台鉋を使っている大工のところで鉇としています。


それについて何かの間違いではないかと思っていましたが、江戸時代中頃宝暦五年(1755年)に出版された匠家必用記では鉇にカンナとルビが振ってあります。ということは鍬形蕙斎が台鉋のことを鉇としているのは間違っていなかったということになります。



因みに江戸時代中頃に出された和漢三才図会では鉋という字はツキガンナとし、ヤリガンナには鐁という字を当てています。