2023年4月25日火曜日

描かれた琵琶 そして犬


鎌倉時代の国宝
当麻曼荼羅縁起絵巻に
描かれている琵琶
正倉院に所蔵されている
琵琶とほとんど同じに
描かれている


こちらは
江戸時代前期に描かれた
平家物語絵巻の琵琶
異様な形に描かれている
同時代の岩佐又兵衛が
描いた琵琶もこのような感じに

描かれているので
実物を見ずに、絵手本の
ようなものを参考にして
描かれたのかもしれない




幕末から明治の浮世絵師
月岡芳年が描いた琵琶
月百姿から有子の月
和歌は

「はかなしや 波の下にも
入るべし つきの都の
人や見るとて」


こちらは杉本健吉が描いた
新平家物語の有子
和歌は「くもいより ただもりきたる
月ならば おぼろげにては
いわじとぞおもふ」
ただもりは忠盛(清盛の父)のことで
新平家物語では有子は忠盛の
後妻ということになっている
片や、上の月岡芳年の有子は
源平盛衰記に登場する人物で
徳大寺実定sanesadaの恋人と
設定されていて、ややこしい・・


杉本健吉の新平家物語屏風から
「厳島の内侍」
後徳大寺実定は百人一首での命名で
徳大寺実定のこと
この場面は古典・平家物語でも
語られているが、源平盛衰記では
この内侍の一人が有子ということになる




杉本健吉の新平家物語屏風から
琵琶を弾く雲中供養菩薩



そして仏教芸術の元祖とも言える
ガンダーラ仏レリーフ(3世紀頃)
国が違えば楽器も違ってくる


上に紹介した江戸時代前期の
平家物語絵巻に描かれている犬





そして杉本健吉の
新平家物語屏風に
描かれている犬






ついでに猫と鶏


2023年4月23日日曜日

電線風景 ラブラドライト 仏像


この絵は
朝井閑右衛門が描いた
電線風景

 
これも朝井閑右衛門
電線風景


その絵に似た模様の
ラブラドライト


話題は変わって
この仏像は岩手県・天台寺の
聖観音立像
全身真横の鑿・ノミの削り跡が面白い


そして、福島県・法用寺の金剛力士像
風化で表面の木目が顕著になり
縦縞となっている


三体めは衣の襞hidaが強調された
鎌倉・極楽寺の釈迦如来立像


最後に、顔まで横彫りされた
神奈川県・弘明寺gumyojiの
十一面観音立像

2023年4月21日金曜日

描かれた楽器いろいろ そしてピカソ


昨日紹介した
修復を終えたミラネーゼ




それによく似た楽器が
描かれた絵を発見


これもそうかもしれない


これは1910年頃の
ピカソのアトリエの様子


糸巻きの形状が違っているが
これは大型のミラネーゼ
かもしれない


その頃のピカソの作品
楽器は上のアトリエの写真に
写っているものかもしれない


この楽器は
マンドリンのように見える


これもマンドリンか・・


1916年にピカソが描いた
ギターを弾くアルルカン


こちらは素描


キュビズム風ギター


これは当時のギターと判る


因みにこれは朝井閑右衛門が
描いたアルルカンとギター
明らかにピカソの影響を
受けていると思われる


そしてマンドリンのような楽器

2023年4月20日木曜日

偶然の産物 そしてミラネーゼ


製作中の19世紀ギター
Laprevotte タイプの
響板を削った際の削り屑

偶然美しい渦巻きに
なっていた


こちらは修復中の
イタリア製ミラネーゼの
ブリッジ・ピン



弦を張って完成


ヘッドの装飾は先日紹介した
黒蝶貝の象嵌