佐伯泰英氏の小説
「竃稲荷の猫」は三味線製作が
題材となっている
内容がどこまで史実を
反映させてあるのか
気になったので、「三味線音楽史」
を眺めていたら
元禄年間(江戸時代中頃)に
出された「女重宝記」のなかで
説明されている三味線各部の名称
に間違いがあると書かれていた
手許にある女重宝記を
見てみたら
確かにそのとおりだったが
これは言われてみなければ
気が付かない
赤線で囲んだところが間違い
白字は読み下し
訂正した状態
三味線の説明は
「三味線はりうきう(琉球)国
よりわが国にわたりたれ共
その音淫乱にして
楽器にいらず遊女のわざ
となれり ゆめゆめ
引(弾き)ならひ給ふべからず
され共其所々の名は
おぼへ給ふべし」
云々
ネット上で紹介されている
版が違うもの
「三味線はりうきう国の
うつはをうつしたれ共
その音淫乱にして
楽器に入(い)らず 遊女の
わざとなれり
引ならひ給ふに及ず
され共其所々の名は
おぼへ給ふべし」
云々
こちらは
和漢三才図会の
三味線の説明
「五雑組に云う 三絃は常に
簫合せて之を鼓す
然して多くは淫哇の調にて
倡優の習ふ所耳夫子の謂く
鄭声は淫なり 淫とは靡なり
巧なり 淫慾の淫に非 (あらず)
言心は楽にして度過に也
艶にして実無き也」
△「桉ずるに其絃三つ故に
三線と名づく 琉球国好て
之を多用す 然ども楽器
為ざるを 婦女里子(さとのす)
等毎に之を鼓(ひき)て遊舞す
其皮に蛇皮を用す
焉(これ)本朝にも亦嬉戯
必用の物と為す
其、棹は花梨木を以て
上の如く為す
鉄刀木(タガヤサン)紫檀最も
橒(きさ:杢のこと)の美を愛す
桑木之に次ぐ 櫧(かし:樫) 木
を下品と為す 其皮皆
猫の革を以て 八乳の者を
良と為す」
間違いなどありましたら
ご教示願います
特注ラコートタイプ
弦長640mm
ボディの厚み設定
荒削りに古い会津鑿を使う
ライニング接着
ライニング削り
響板と裏板仕上がり
響板接着
1899年明治32年生まれの画家
関根正二がマンドリンを
描いていたのは知らなかった
知人に宛てた葉書なので
作品とは言えない
かもですが・・
極貧のうちに20歳で
この世を去った関根正二は
絵具も思うように買えず
特に高価なバーミリオン(赤色)
などは友人の今東光と
一緒に描いているときに
チューブから遠慮がちに
分けてもらったり
していたらしい
死の前年19歳のときに
二科展で樗牛賞を受け
絵が売れるようになると
早速絵具を買ったようで
バーミリオンをふんだんに
使った絵を描いている
よほど嬉しかったのだろう
これはルドンの絵
関根正二の絵に
通じるものを感じる
同じくルドンの作品
これは旧約聖書の
出エジプト記の有名な場面
モーゼがイスラエルの民を率い
エジプトから脱出するため
紅海を二つに裂いて
海底を現した状況の想像図
同じような海を裂く話は
能の和布刈mekari にも
あるのが興味深い
この絵はチャットGPTさんが
描いてくれたもの
和布meはワカメのこと
ワカメは漢字で和布とも表記
されている
神事としても行われている
北九州市門司にある
和布刈神社からの
関門海峡の眺め
能の和布刈のあらすじ
能の謡本から
海が二つに裂ける様子の
記述
ちょうどこれを書いている時
ここ丹波篠山では
久しぶりに雨が降ってきた
恵みの雨
龍神様が感応してくれたのか
・・・
ありがたい
「め(この1字は前ページ)かり時
いたり、虎嘯くやかぜ
はやともの 竜吟ずれば
雲起り 雨となり 潮も光り
鳴動して 沖より龍神あらはれ
たり 龍神すなはち現れて
龍神すなはち現れて
和布刈の所の水底を
うがち」
はらふや潮瀬に
こゆるぎのいそ菜つむ
めさしぬらすな沖に折浪
沖にをれ浪といふ
汐をしりぞけ屏風を
たてたるごとくにわかれて
海底のいさごは平々たり
神ぬしたいまつふり
立て 神ぬしたいまつふりたて
御鎌をもつて岩間をつたひ
伝ひくだつて半町ばかりの
海底のめを刈かへり給へば
程なく跡にしほさし満て
もとのごとく荒海となつて
波白妙のわだづみ和田の原
同様のことは他にもあり
日本各地にある蘇民将来伝説は
旧約聖書の出エジプト記の
過ぎ越しの祭りと内容が
よく似ています
蘇民将来
過ぎ越しの祭り
アブラゼミが2匹止まっているが
保護色でほとんど分からない
撮影の途中に飛んで来て
鳴き始めたお方
近くには抜け殻が
近所の河原で拾った石
杖をついた寿老人が
見えたらお慰み
4cmほどの小さな石だが
存在感は大きい
埴輪の犬にラピスラズリ