2012年2月27日月曜日

平家琵琶の腹板の厚みを仕上げる

製作中の平家琵琶の腹板(響板)
厚みを仕上げました(動画参照
最終的には板の厚みは縁8mm強
内部は厚いところで約14mm
動画では確認のためカリパーで
厚みを計っていますが
この厚みはあくまでも結果であって
何ミリの厚みにしようとして出した
ものではありません
ここのところが楽器作りでは重要になってきます
八音抄参照ください


この後、目(半月)と陰月(サウンドホール)を開けます

ヴァイオリンなど西洋の楽器は
この後削り肌を滑らかに仕上げますが
この琵琶はこのままで仕上がりとします
以前修復したことのある500年ほど前の
平家琵琶もこのように仕上げられていました



2012年2月26日日曜日

平家琵琶、遠山を刻む

製作中の平家琵琶
今日は甲板(裏板)
膨らみを仕上げ
腹板(表板)の内側を
荒削りしました

これは甲板の遠山の
線を切っているところ

遠山を削り出す

甲の出来上がり


こちらは腹板の内側
動画UPしました)

これはまだ荒彫り
明日仕上げます

2012年2月25日土曜日

オブジェ製作


オブジェを2点作りました


佐野勝二作・昭豊銘の鉋


昨日手に入れた佐野勝二作・昭豊銘寸八を
台に挿げ、早速仕事で使ってみました



まず、外丸ノミ用の鞘を作るため
桂材を荒削りから仕上削りまでやってみました


これは仕上削り


切れ味よく、美しい削り肌を得ることができます






次にネック形状のサンプルを
セドロ材で作りました
これも荒削りから仕上削りまで行いました


これは仕上削り








これはネックの丸みを付けるための荒削り


まだまだ切れは軽く、刃先も健全です


参考までに、これは外丸ノミの鞘の接着


形成して出来上がり


平家琵琶の鶴首を継ぐ


製作中の平家琵琶の鶴首を
槽板(甲板)に継ぎました
鋸入れの画像はこちら








2012年2月24日金曜日

平家琵琶、そして新たな鉋

今日の作業

平家琵琶の甲板(又は槽)
(こちらから見ると槽となるのか・・?参照
鶴首が収まるホゾを掘っていく



作業中、注文していた鉋身が届きました
佐野勝二作・「昭豊」銘の寸八
午後からはこれの仕上に専念
上の画像は研ぎ上げた状態

刃角度が低かったので
28度ほどに修正しました
鋼は安来鋼・青紙と思われます

いま現在、新しい台に挿げているところです
後日、仕事で使ってみました(参照

2012年2月23日木曜日

平家琵琶の鶴首の継ぎ部分を仕上げる


製作中の平家琵琶の鶴首(ネック)
継ぎ部分を仕上げました
このホゾ部分を甲板(裏板)に差し込んでから
甲板の仕上を行います

材は、琵琶を注文して頂いた方の依頼で
庭木として植えていたカリンの木を使っています
庭木が枯れ、伐採したものを
大切に保管されていたということです
そういった木ですから、私も心をこめて
大切に加工していきたいと思っています

バンドソーで挽いたら、鶴首の裏に
木の芯が出ました・・
最後の仕上削りのときに角を丸くするので
それで無くなればいいのですが・・

八音抄では、鶴首を含め
各部材の処理と音との関係について
次のように記されています

甲・腹厚く、覆手こはく、頸太き琵琶は音小さくて、
三・四の絃はよく鳴りて、一・二の絃は鳴らず。腹薄く、覆手柔らかに、頸細くなりぬれば、一・二の絃は音勢あれども、三・四の絃鳴らず。すべて声かしこき琵琶は、一・二の絃少しおろかなり。声おろかなるは三・四の絃ならず。一・二の絃はよく聞こゆ。ただし遠くて悪し。されば腹は厚くてくつろぎ、覆手は薄くて硬く、頸は細くて強きが良かるべきやらむ。

天然砥石の不思議


いま平家琵琶の甲板である紅カリン材を集中的に削っているので、ハイス鉋を頻繁に研いでいます。
そういうことなので、先日手に入れた大谷山産の仕上砥も使ってみたのですが、いま一つ、うまく仕上がらないのです。
通常の鋼の鉋でしたらピカピカの鏡面に仕上がるこの砥石も、ハイス鋼では砥目の筋が目立ち、荒い砥石で研いだようになるのです(燕鋼も同様です)
鋼によってここまで仕上がり具合が違う砥石は他にはあまり知りません・・。そこで、たまたま目に付いた京都産の敷白で研いでみたら、これはまた大谷山産とは反対に、荒い研ぎ心地なのに仕上がりは緻密で、砥目が見えないくらいまで仕上がったのです。
まったく、天然砥石というのは不思議です・・
動画参照下さい。




動画で最初に使っているのは
中砥である伊予砥 粒度は約#1000







次に三河産白名倉 粒度約#1500






そして仕上砥石の京都産・敷白














参考までに
これは同じ砥石で仕上げた
通常のノミです(安来鋼・青紙系)