2013年5月10日金曜日

古い鉋身、國行銘寸六を入手


古い寸六鉋身(身幅約65mm)を二枚入手
左は國(国)行銘、右は長光銘
どちらも鋼の錆が深いのでちょっと心配でありました

まず國行銘寸六からやってみることに・・
(長光寸六は後日報告の予定)
裏を出し研ぎ上げてみました
何とか錆は除去できたようです


刃先から4mmほどを刃角度約27度に角度修正しました
鋼は特殊鋼系と思われます
ということは、この國行は初代國弘の弟子の一人である
息子の國行が鍛えたものではないということになります

刃先は焼きがよく入った東郷鋼によく見られる感じで
ややザラついています

ブビンガ材の掘り台が手に入ったので
それに収め早速仕事で使ってみました

削った板は製作中の19世紀ギター、ウィーン・タイプの裏板

荒削りをやってみましたが、切れは軽く
深いCurly Mapleの逆目もほぼ止まっています


刃先がやや白く摩耗していますが
まだまだ切れは止んでいません

反対面を初弘寸六(安来鋼・青紙)で削ってみましたが

こちらはかなり刃先が摩耗しています

2013年5月8日水曜日

國弘銘寸六鉋を入手 日原大工の國弘と削り比べ


使い込まれた古い寸六鉋を手に入れました

銘ははっきりとは確認できませんが
國弘でしょう サイズは寸六(身幅65mm)

日原大工の棟梁が使っていた國弘鉋と比べると
右の寸三のものに似ていますが
篆字の「天」の字が微妙に違っています・・

手に入れた状態では
一応研ぎ上げられていましたが
刃先に大きな刃こぼれがあり
裏ももう少し出したいところなので

裏押しをやり直しましたが
画像左側の鋼部分が無くなってしまいました
しかし、何とか使えるでしょう


地鉄は日原大工のものと同様ですが・・

研いだ際の刃の返りが大きいのが気になりました
焼き入れが甘いか・・

台の表面を鉋で薄く削り汚れを除去しました

削り面も調整し、これで使えます

ということで、日原大工が使っていたものと
削り比べをやってみました
YouTube動画UPしました

削った材は、製作中のギターの響板に使う
30年ほど寝かせたヨーロッパ・スプルース

動画で最初に使ったのは
新たに手に入れた國弘銘寸六

動画撮影で削っただけで
刃先がかなり摩耗していました
これは凡庸な出来の刃ですね・・
日原大工の棟梁が使っていたものとは
雲泥の差を感じます

これは日原大工の棟梁が使っていた寸三小鉋
この鉋は4日に研ぎ上げてから
削り比べでかなり使っていますが
研いでいない状態から使いました

さすがに刃先がかなり摩耗していますが
まだ切れは止んでいません

新たに手に入れたものは
ギター用響板を1枚ほど削っただけで
このような状態になったのです・・

これは日原大工の棟梁が使っていた寸六長台鉋
これも3日に研ぎ上げてから
まだ研いでいません

こちらも刃先がかなり摩耗していますが
まだまだ切れます


2013年5月7日火曜日

重延を含む寸六鉋4丁でギター響板用スプルースの削り比べ


古い会津鉋、重延寸六を台に挿げたので
日原大工の棟梁が使っていた國弘寸六長台の他
古い三木鉋と思われる別所与三郎銘寸六と
東京鉋の國明寸六を使い削り比べをやってみました
YouTube動画UPしました
左から重延寸六(刃は特殊鋼)、國弘寸六長台(刃は炭素鋼)
別所与三郎寸六(刃は特殊鋼)、國明寸六(刃は特殊鋼・青紙)





左が重延寸六、右は國弘寸六長台


こちらの左は別所与三郎寸六、右は國明寸六




削った木は、これから作り始めるギターの
響板として使うヨーロッパ・スプルース材
これは30年ほどエイジングさせたものです
動画で最初に使ったのは重延寸六


長期間寝かせたスプルース材は
木細胞のミネラル分が結晶化しているためか
鉋の刃先が摩耗しやすいのですが
この重延はそれほど摩耗していません



日原大工が使っていた國弘寸六長台は
研いでからこれまで様々な削り比べで使いましたが
その後研いでおらず、まだそのままの刃の状態です


さすがに刃先が白く摩耗していますが
まだ切れは止んでいません



これは別所与三郎寸六
鋼は昔の安来鋼・青紙か東郷鋼と思われますが


さすがに刃先がやや摩耗しています



國明寸六


画像では分かりにくいですが
4丁の鉋の内、刃先の摩耗が最も顕著でした
一般的な青紙鋼の鉋はこんなものです


2013年5月6日月曜日

古い会津鉋、重延寸六の台を打つ


國弘寸四小鉋と


舟弘作、天慶小鉋で削った


樫の木で


先般手に入れていた古い会津鉋、重延銘寸六の台を打ちました




身の仕込み勾配は八分五厘

押え金は明日収めることにします