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2015年5月13日水曜日

古い会津鉋 重上寸六を入手

古い会津鉋、重上・寸六(身幅66mm)を
手に入れました
研ぎ上げた状態


鋼(はがね)は和鉄(玉鋼)と思われます

重上は刃先の強靭さに評価が高く人気があり、
偽物も作られたということですが、この鉋は果たしていかに・・
使ってみれば分かるでしょう

研ぎに使った砥石、すべて天然砥石
中央左から中砥ぎの最初に使った茨城県産
深沢砥(粒度は約#800)
その右は中砥の栃木県産荒内砥(粒度約#1200)
その右は三河名倉砥(層はボタンと思われ粒度は約#1500)
右端は仕上砥ぎの中継ぎに使った京丹波亀岡、神前(Kouzaki)産戸前
下は最終仕上げに使った茨城県産赤沢砥
上は裏研ぎ専用の京都梅ヶ畑、奥殿(Okudo)産白巣板


地鉄(じがね)は幕末期の日本刀のような研ぎ上がり状態です
この鉋身は元々は外丸鉋と思われ、その形跡が
身の鎬部分の両端に見られます

刃先の拡大画像(約180倍)
先般紹介した重高・寸六とよく似た印象を受けます
研いだ感じや砥石の傷の付き方から
やや焼き入れは甘いかな・・
という気がします

台を自分好みに変えているところ
まず、木端返しの角度を修正しました

二枚刃鉋は一枚刃鉋と違って
押金(裏金)で逆目を止めるので木端返しは必要ありません
深い逆目を止めるには二枚刃の先端の様子を
確認できることが重要なので私は木端返しは
ほぼ90度に切り下ろし、幅も狭めにしています
刃口はできるだけ狭い方がいいのは一枚刃鉋と同じ
以前紹介した押金考参照下さい



木端返し部分出来上がり

鉋身を押さえる溝を修正しているところ

刃口部分が出来上がりました

次に削り面を調整(下端削り動画参照下さい)



出来上がりました


刃口の幅が不揃いでやや広すぎるが
中仕工鉋としては何とか使えそうであります

さっそくハカランダ材を試し削り
玉鋼独特のサリサリとした削り心地です

荒削りながら、深い逆目もほぼ止まっています
永切れを期待したいところであります
これからしばらく仕事で使ってみます

その後、いろいろ使ってみた結果
刃先の持ちが悪く
仕事で使えるレベルではありませんでした
重上鉋は往時かなり評判がよく
偽物も出回ったようですが
これはもしかして、その偽物かもしれません


2015年4月5日日曜日

茨城県産赤沢砥で会津鉋重利二寸を研ぎ上げる

前回紹介した茨城県産の赤沢仕上砥
座りが悪かったので
この硬口の大きめのものは木の座布団を・・




やや硬めのものは木の台に
シリコンコークで接着しました


この二丁の赤沢産仕上砥を使って
古い会津鉋、重利銘二寸鉋を研ぎ上げてみました


動画で最初に使ったのは
栃木県産深沢砥


やや柔らかめで強い研磨力があります


研ぎ傷が均一で丹波産青砥によく見られる
針気はほとんどありません
粒度は約#600


次に使ったのは浄教寺砥
粒度約#1000




これも粒度がよく揃っています


そして仕上砥ぎの最初は
やや硬めの赤沢砥
硬めながらまろやかな研ぎ感で
心地よく研ぐことができます


しかも鋼はほぼ鏡面に
地鉄(じがね)もかなり緻密に研ぎ上がります
これで約1分半研いだ状態です
これで充分仕事で使えますが


試し研ぎなので 
大判の硬口で最終仕上げを行いました


1分ほど研いだ状態
地・刃ともに一段と冴えました


刃先の拡大画像(約180倍)
玉鋼の特徴がよく表れた研ぎ上がりです

中砥ぎでもう少し細かい砥石までもっていくと
どういう結果になるのか
次回試してみたいと思います


参考までに、これは裏の拡大画像(約180倍)







2015年4月2日木曜日

茨城県産赤沢砥 これは素晴しい!

関東の天然砥石の調査をしていらっしゃるTさんから
新たに採掘された赤沢砥が届きました
以前紹介したものと違い、かなり上質なものです

サイズも立派なもので一緒に撮影した
寸八鉋が小さく見えるほどです




反対面の様子


採掘の様子は名古屋砥泥会のブログで紹介されています
参照下さい



さっそく試し研ぎを行いました
今回もたまたま八分(刃幅24mm)の薄ノミを
研ぐ必要があったので、それを研いでみました
まず中砥ぎとして以前紹介した栃木県深沢産の青砥





次に愛知県産三河名倉砥で研ぎ傷を細かくしました
層は八重ボタンでしょうか・・


そんな研ぎ傷です



そして今回届いた赤沢産仕上砥
これはTさんが研ぎ面を仕上げて下さっていたので
たいへん助かりました
戸前層でしょうか・・美しい黄板です
まろやかな研ぎ感で心地よく研ぐことができます
若狭砥を採掘している尚さんによると
若狭・中井産と同様合成りの砥石層だということです
その戸前ということでいいのでしょうね


三河名倉砥の傷が1分ほどで消えました


しかも地鉄、鋼ともほとんど鏡面に研ぎ上がります
これには驚きました
この研ぎ感と研ぎ上がりは
以前、尚さんが採掘されていた福井県中井産の
硬口の仕上砥に似た印象を受けます(参照


刃先の拡大画像(約180倍)



次に大判の原石を一部面出しを行い、研いでみました
上のものよりも硬めですが
これも滑らかな研ぎ感です


さらに緻密に研ぎ上がりました
これも1分ほど研いだ状態




文句なしの研ぎ上がりです
関東にもこのような優れた仕上砥があったのですね・・