2011年6月8日水曜日

金井鉋 おそるべし

今では幻の鉋となりつつある
金井芳雄作の寸八鉋を
運良く手に入れることができました

 鉋身を自分好みに研ぎ上げ
台の仕込みを大まかに仕上げただけで
このように軽く薄削りができました
削った板はパサパサのスプルースで
薄削りにはあまり向いていないのですが・・

haganeは安来鋼の青紙系と思われますが
青紙系の鋼の鉋は他にも優れたものを
持っていますが、これには及びません・・
初代金井芳蔵のものほど
永切れはしませんが
仕事では充分使えます

パサパサのスプルース材が
このように美しい艶に仕上がりました

刃の研ぎ角度は
自分好みに変えました(約28度)


参考までに、この鉋は
35年間惜しみながら大切に使ってきた
三代目・千代鶴 落合宇一作の寸八です
台は名古屋の青山鉋さんに
打ってもらいました
鋼はスウェーデン鋼と思われます
以前のブログでも紹介しています(参照
この鉋はギターの響板の
最終仕上げ用として
使っているものです
2mmほどの薄い板を削るので
刃の両側は多めに研ぎ落としています

切れ味、削り肌の艶
共に金井鉋と甲乙付け難し
といったところです

そしてこれは光弘銘の寸八です
鋼は炭素鋼系ですが
この鉋も素晴らしい切れ味です


金井鉋といい勝負か・・

他に、今めきめきと頭角を現して
いる石社ishikoso氏作の鉋もありますが
今は訳あって知人の所へ行っています
戻ってきましたら
これも紹介したいと思います

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

光弘銘の仕上がりが一番しっとりしていいように見えますが。
光の加減で映り方は変わるので、三つとも甲乙つけがたいのではなかろうか。
キヨンドさんの秘密基地(工作場)にはまだまだ沢山の秘密兵器が隠されているようです。
楽しみです。
           源 信正

楽器製作家 田中清人 さんのコメント...

光弘の研ぎ上がった地・刃の冴えはゾッとするほどです・・
同じ鉄、鋼を使っても鍛冶職人の腕の差で
大きく結果が違うのは、楽器作りと同じです。
謙虚に精進しなければ、と道具に教えてもらっているようです・・