2011年3月10日木曜日

工房の様子 フレット設定

製作中のギター3台
きょう、フレットを設定しました

これは完全なスキャロップ指板にするラコート・タイプ
洋白銀のフレットを入れました





そしてこちらは特注のラコート・タイプ
これには真鍮のフレットを使いました





そしてもう一台の特注ミルクール・タイプ
これには1~9フレットは洋白銀を
10フレット~17フレットには象牙を入れました

2011年3月9日水曜日

産地不明の中砥


福岡の実家にあった産地不明の
中砥を使ってみました


上の画像の側面が比較的平面に
なっていたので、この面を使うことにしました
この砥石は一見沼田砥のように思われますが
沼田砥よりはやや粗い感じがします
硬質でカチっとしているので
ノミを研ぐのに向いています


研ぎ傷は浅いものの、やや粗く付いています


ですから、この小振りの五十嵐砥で
傷を細かくしていきました




仕上研ぎは、最初に京都亀岡の
丸尾山産の天上巣板(内曇)を使い




最終仕上として、以前紹介したことのある
砥取家さんで入手した仕上砥を使いました
この砥石は鉋にはよく反応しますが
ノミには反応が鈍く、とくに今回研いだ
フィッシュテール・ノミとは相性がとても悪いのです
ですから、UPした動画のように
名倉をかけて研ぎ進めました






2011年3月7日月曜日

福岡県春日市の出土砥石

3月5日、6日は福岡に行ってきました

今回は、かねてから
一度は行っておきたいと思っていた
春日市にある「奴国(なこく)の丘歴史資料館」に
足を運びました 参照

福岡県春日市は、弥生時代の貴重な
考古資料が発見されている所として有名ですが
何と言っても青銅器や鉄器の工房跡の多さは
特筆ものでしょう 参照
資料館の展示物もこれらに関するものが
中心を成していましたが
砥石の出土物の多さにも驚かされました




まずこれを見て頂きたいのですが
これは仁王手A遺跡で発見されたもの
だそうですが、このように
これぞ砥石といった顔をした出土砥石には
なかなかお目にかかれません
それに、よく使い込まれていて
ほれぼれとしてしまいます
(長い方の砥石は長さ22,6cm)




上に挙げた鉄器は、上の砥石といっしょに
出土しているものですが
おそらくこのような刃物が研がれていたのでしょう
砥石の上を、刃物が滑らかに
動いているのが目に見えるようです




そしてこれは伯玄社遺跡から
出土している砥石ですが


このような磨製石器にも
使われていたようです


それからこのような、玉(ぎょく)
加工したとされる砥石も発見されていました


これは福岡の実家の納屋で
たまたま見つけたものですが
なぜか、上に紹介した出土砥石と
同じようなものに見えてしかたがないのです・・

この砥石は亡くなった父親が
使っていたものだと思うのですが
父の弟は大工の棟梁だったので
そっちの方から渡ってきたものかもしれません

この砥石については、後日紹介しようと思っています

2011年3月4日金曜日

製作中のギター パーツ作り

ニス塗りの合間をぬって
ペグとブリッジピン、そしてエンドピンを
作っていきます

2011年3月1日火曜日

産地不明の優れた中砥を入手 そして諸寄砥

今回手に入れた産地不明の中砥
一見、三河産中名倉に似ていますが
緻密さなど質感が違っています・・
三河産でも層が違うのでしょうか
掘られた場所が違うからでしょうか・・

研いだ感じは手持ちの三河中名倉と
同様ですが、これはかなり反応がいいですね
研磨力もあります

研ぎ傷も三河中名倉と同様です


これは手許にある
三河中名倉の一つですが
緻密で、縞の感じも上の産地不明の
ものとは違った印象を受けます


研ぎの動画をUPしておきましたが
この砥石は最初に使っている
中砥の但馬(たじま)砥です(参照

動画の説明でも述べていますが
現在出回っている但馬砥とは
色あい、質感とも違っています
反応もよく、心地よく研ぐことができます

その後、諸寄砥ということが判明

但馬砥独特の研ぎ上がりで
浅い傷で、鋼が鏡面のように仕上がり
とても中砥とは思えません


これは仕上げに使った
奥殿(おくど)産白巣板
たいへん優れた仕上げ砥で
こういったものには
めったにお目にかかることができません




2011年2月27日日曜日

製作中のギター ニス塗り途中報告 その2


ニス塗りの様子


今日はここまで・・
色付けはほぼ終わりました
メープルのネックは響板のニス塗りが
ほぼ終わってから色付けします



製作中のギター ニス塗り途中報告

製作中の特注19世紀ギター二台
ニスの色付け中です

こちらはラコート・タイプの響板





そしてこちらは初期ミルクール・タイプの裏板


2011年2月25日金曜日

工房の様子 不明材美しい・・

製作中のギター
手前のラコート・タイプは
横・裏板の材種が不明なのですが(参照
セラック・ニスを塗ってみると
これがなかなか美しいのです
目止剤の色合せに苦労しましたが
良い結果が出せて一安心・・

2011年2月21日月曜日

その後の小鳥砥


岐阜県高山産の小鳥砥(おどり砥)を(参照
知人の刀剣研ぎ師である杉原宗都氏に
「いい砥石やから使うてみて」
と押し売りしたのでありますが
トップクラスの研ぎ師も太鼓判を押してくれました
氏のサイトで紹介されています)



氏の名誉のために申し上げておきますが
紹介されている画像の
この下手な字の犯人はワタクシであります・・


2011年2月20日日曜日

平田家文書 その8

平田家文書が書かれた時代より
やや古くなりますが
江戸時代初めに描かれたとされる
「喜多院・職人尽絵屏風」(参照)から
鍛冶師の絵を紹介しておきます

 この屏風は室町時代末の京都の様子を
描いたものとされていますが
平田家と同様の農具鍛冶と思われます


ついでに刀剣研ぎ師と刀師の
を紹介しておきます


2011年2月19日土曜日

五十嵐砥?と神前産巣板二種でハイス全鋼鉋身を研ぐ

今回手に入れた五十嵐砥と思われる砥石で
ハイス全鋼鉋身を研いでみました
動画UPしました(You Tube)

硬めで緻密な砥石なので
#400のダイヤモンド砥石で目起こしを
行ってから研ぎ始めました

強靭な鋼なので
中砥でも深い傷が付かず
荒い仕事ならばこのまま使えます


次に仕上砥として
京都新田産巣板で研いでみました

良く反応し、強い研磨力があります
一般的な鋼の鉋身では
このように激しく反応することはありません



次に、同じく新田産の硬めの巣板で
最終仕上を行います

 この砥石も硬めであるにもかかわらず

良く反応し、強い研磨力を発揮します
炭素鋼など一般的な鋼の鉋身でしたら
ほぼ鏡面に仕上がる砥石です

このハイス全鋼の鉋は
中国で作られたものを
ドイツのDICTUMというサプライヤーが
販売しているものですが、たいへん強靭な鋼で
手持ちのハイス鉋のなかでは最も永切れします
国産のハイス鉋も昔のものには
これに匹敵する永切れのものがあったのですが
最近手に入れたものは鋼に強靭さがなく永切れしません
その分、研ぎ易くはあるのですが
これではハイス鉋を使う意味がない
ということになってしまいます
これは何とかしてほしいものです