2011年4月13日水曜日

江戸中期の絵師 長沢芦雪

別冊「太陽」で特集された長沢芦雪(ろせつ)
芦雪はここ丹波篠山(笹山)に縁があるのですが
(父親が青山下野守の家臣とされている)
恥ずかしながら私は芦雪のことは全く知りませんでした

宝暦四年(1754年)に生まれた芦雪は
亡くなったとされる記録が二件あり
34歳か46歳ということになっています
死の原因も自殺説もあるようですね・・

芦雪はかの有名な円山応挙の弟子で
ですから、応挙風の緻密でかっちりとした
絵も描いていますが
宗達のような琳派風のものも見られます

この月下桜図屏風(部分)には
琳派風の雰囲気がありますね・・
参照
平安時代から続く大和絵や
その流れを汲む琳派の絵も
ちゃんと勉強していたことが伺えます

芦雪は29歳で絵師として独立した後の
天明六年(1786年)から五ヶ月間
南紀(和歌山県南部)に滞在しています
この絵は南紀に出向いて間もなく描かれたものです
この絵をみて何だろう?と思ったのですが
実はこれは捕鯨の様子を描いたものなのです
手前の黒い山のようなものがクジラなのですね
この大胆な構図には驚きました
これは芦雪の真骨頂といったところですか・・

2011年4月11日月曜日

丹波篠山の桜


春はあけぼの やうやう白くなりゆく・・

近所の一本桜
ようやく八分咲きといったところでしょうか 





このソメイヨシノは
香りもいいのです





遠くに先日紹介した高城山が望めます
辛夷(こぶし)の花がさらに増えているようです
犬のテンも見えますね・・・



2011年4月9日土曜日

工房の様子 手ごわい材・・モアビ

三台製作中の小型箱型ハープの側板は
二台はウォルナット、そしてもう一台は
モアビを使うことにしたのですが
このモアビが手ごわいのです
美しい玉杢が入っているのですが
強烈な逆目で、おまけガンコなのです
それほど堅いものではなく
小刀やノミで削る分には問題ないのですが・・

 なんとか逆目も止まり
仕上げることができました
立鉋は表面が荒れるので私は使いません
仕上鉋は粉末ハイス鋼の寸八
鉋身の仕込み勾配は九分(参照


 これは荒削りに使った燕鋼の鉋ですが
上の板(20cmx25cm)を1mmほど
削っただけで、ご覧のように刃先が白く摩耗し
切れが止まってしまいました
強靭な燕鋼がこれほどやられるとは・・

ですが、このモアビは見た目は美しいし
反応はほっこりとしていて
高音用の楽器には向いているような気がするのです

2011年4月6日水曜日

工房の様子 玉鋼の鉋

これは半年ほど前に手に入れた
玉鋼(和鋼)が使われた古い鉋です
寸六(身巾65mm)の一枚刃ですが

これがたいへん切れ味が良く
また削り肌が美しいのです
他に持っている玉鋼鉋の
どれよりも優れています
玉鋼の鉋は研ぐのが難しいとか

研ぎ過ぎてはいけない
とか言われているようですが
この鉋は普通に研いでも
何ら問題ありません

刃口がやや広すぎるので
これは補修したいところ

今日も硬いハードメープルを
削りましたが

使い込んで刃先が白くなっている
にもかかわらず切れは軽く
削り肌は美しく仕上りました




銘は堺仁でしょうか
この銘についてご存じの方は
ぜひご教示お願い致します

2011年4月4日月曜日

丹波篠山の春 高城山のタムシバの群生

工房から300mほどの川向こうに
高城山が望めます

この時期は山に群生している
タムシバの花が一斉に咲きます

篠山は高原盆地で
この辺りは標高が300mほどあります
ですから、桜の開花は京阪神よりも
1週間ほど遅れます

早咲の桜がようやくほころび初めています
この桜は花が小さめで、葉もいっしょに
出ているので山桜の種類だと思われます

ソメイヨシノはまだまだ堅い蕾です