2012年4月26日木曜日

2012年新作・平家琵琶

新作・平家琵琶
鈴木まどかさんにより
「相応」という銘を頂きました

腹板(表板)はタモ材

(裏板)は紅花梨材
(マメ科のカリン)


撥面は木曽義仲に
因んだ絵を描きました
と言ってもほとんど私の創作で
木曽で育てられた
駒王丸(義仲の幼名)
花梨(バラ科のカリン)の実を
もぎ取ろうとしている
ところです
当時(平安時代末)
バラ科の花梨が
日本に入って来ていたのかは
不明ですが・・
絵の奥に描いているのは
木曽山脈で
中央左の山は駒ケ岳です
こういった絵は勢いが
大事なので
下描きなしで一気に
5分くらいで描きました
撥面の素材はこれも木曽義仲に
因んで馬の革を使いました




琵琶を置く台は欅材と
バラ科の花梨材を使いました
この花梨材は琵琶を
注文して下さった方の
思い出が詰まったもの
だということで
私もできるだけ琵琶の
素材として使うことが
できれば、と願いながら
製作していきました
撥面に貼っている月もこの
カリン材を
輪切りにしたものです


鶴首にも使うことができました


2012年4月25日水曜日

浄教寺赤砥と思われる天然中砥

You TubeにUPしている
浄教寺(じょうけんじ)赤砥と
思われる天然中砥に
関する動画の画像を紹介しておきます

これは最初の動画で砥石を
カットしたところ
この砥石は砥石関連の知人から
紹介してもらった
美術日本刀鍛錬研磨柳田研究所から
お世話になったものです。
そこでは赤常見寺砥として
紹介されていますが
おそらく昔、浄教寺赤砥として
福井県から産出していた
砥石だと思われます
手許に届いたものは大きな塊りで
重さはほぼ4kgありました。
砥石を固定して研ぐ場合には
大きな塊りは便利ですが
私はあれこれと砥石を取り換えて
研ぐので、あまり大きいと不便なのですそういうことなので
厚みを半分にカットすることにしました
カットする道具は直径10cmの
ダイヤモンド・ディスクを装着した
ディスク・グラインダーしか
持ち合わせていないので
これで切れるところまでカットし
あとは石切り用の手鋸を使いました

半分にしても厚みは4cm以上あります
幅8cm、長さ22cm

水で濡らすと赤さが増しました

やや硬めのものを選んでもらいましたが
よく反応し、研磨力もあります
よく反応する他の天然中砥のように
砥泥は邪魔にならず
心地よく研ぐことができます

粒度は600~800と
いったところでしょうか

やや砥目にムラがありますが
研ぎ傷は浅いので一般的な刃物を
研ぐ分には問題はありません

動画で次に使っているのは
丹波亀岡・岡花産青砥
粒度は約1200
これまで青砥はかなりの
数を使ってきましたが
この青砥はその中でも研ぎ易さと
粒度の均一性はトップクラスです
こういった青砥には今ではほとんど
お目にかかれません

そして三河中名倉のボタン層で
青砥の傷を消していきます

仕上げ研ぎの最初は
京都梅ヶ畑・中世中山産の
やや粗めの仕上砥

そして今回「さゞれ銘砥」から
新たに手に入れた
最終仕上げ用の中世中山仕上砥

この砥石は玉鋼とは
あまり相性がよくありません

これは以前入ブログで
寸六鉋を研いだもの
この鉋身にはよく反応します


2012年4月22日日曜日

丹波篠山 西光寺の仏像を拝観


近所にある西光寺に安置されている
仏像が一般公開されているというので
拝観に行ってました
毎年4月21日~25日に公開されるそうです

西光寺は丹波篠山を象徴するような
静かなたたずまいの集落にあります


現在は仏像を安置する
収蔵庫だけが建てられています


右クリックで別ウインドウで開くと
大きな画像をみることができます


昔の集落の様子の写真も展示されていました


中央が薬師如来座像
高さ1,5mの木造で
1本の大きな桂材から各部材を木取りし
寄木造りされているということです
平安時代中頃の作とされています


西光寺縁起では同寺について
「篠山領地誌」から引用されていて、そこでは
薬王山西光寺は畠市の南にあり
本尊は観音を安ず。聖徳太子の作なり
洞光禅刹の末寺たり
東に薬師堂あり
45代聖武天皇、天平三辛未(かのとひつじ)
行基これを創闢(そうびゃく)して手ずから
薬師の像を刻みて本尊となす
外に又五仏像を置く。仏殿像屋善を尽くす
中頃兵火に罹(かか)って焼失す
続で僧堂一宇を営み、本尊薬師如来を安ず
外の五仏体は紛失す
と説明されています






2012年4月17日火曜日

宮本英雄&Kiyond展 ライブ・アート


4月15日のライブ・アート
無事終えることができました







手回しオルゴールの実演も行われました




私が持参した楽器製作の端材を使って
画家の宮本英雄さんが
オブジェを作ってくれました


そのオブジェと壁に掛けられている
宮本さんの作品の印象を受けて
Boxハープで即興演奏を行いました
動画をUPしております


2012年4月16日月曜日

砥沢虎砥を入手



今では幻の砥石となってしまった
砥沢虎砥を手に入れました(参照
   

かつて東日本方面で採掘されていた中砥
左から福島県産・会津白砥
群馬県産・瓢箪沼田砥
そして右が今回手に入れた
群馬県産・砥沢虎砥
上の3点に岐阜県産の小鳥おどりを加え
研ぎ比べをやってみました(動画UP


動画で最初に使った沼田虎砥
粒度は約600といったところでしょうか
鉋身は石社いしこそ寸八
鋼は炭素鋼系と思われます


同じ砥石で藤井啓介刀匠作の
玉鋼小刀も研いでみました

そしてこれは会津白砥
上の砥沢虎砥よりも全体に粒度は細かいのですが
粒度にややムラがあるのか
部分的にやや粗い傷が付きます

小鳥砥は粒度は約1200で
砥目がよく揃っています

そして瓢箪沼田砥
これは緻密で、中研ぎの最終段階
として使っているものです
粒度は約1500