2014年1月2日木曜日

新たな道具たち 豆鉋と玉龍、正宗銘の小刀

豆鉋の平で二枚刃のものが必要になったので新調
写真上のもの 身幅は24mm
その下の6丁は身幅が狭く、皆一枚刃





こちらは知人から分けてもらった小刀

鋼はどれも安来鋼・青紙
左の2枚は「玉龍」銘で身幅は約11mm
知人によると、おそらく三木の刃物だろう、ということです

右は八分(24mm)幅で銘は「正宗」
これは鎌倉鍛冶、正宗二十四代目である
綱廣氏が鍛えたものです


写真は裏も表も鍛冶研ぎの状態の新身


玉龍銘は一枚を刃渡り角度を
グラインダーで修正


研ぎ上げました
刃角度は約27度


裏はディスク・グラインダーで適当に透き直しました



こちらは研ぎ上げた正宗八分
刃角度は約13度


刃先は問題なし





試し削りで柔らかいスプルーズ材を削ってみしたが
刃角度が低すぎ、刃先がすぐにこのようにボロボロと捲くれ
切れなくなりました
やはり刃角度13度は無理があります


ということなので、刃先から3mmほどを
刃角度約23度で研ぎ直しました


裏も切れたので研ぎ進め


これで問題なく使えるようになりました
写真は柔らかめのスプルーズ材を削ったところですが
なかなか軽い切れです


これはギターのネックなどに使うセドロ材
やや柔らかめの材質です
これも切れは軽く、心地よく削ることができます


最後に粘りの強いメープル材
これも大丈夫です
これでしたら充分仕事で使えます



こちらは玉龍銘11mm
安来鋼・青紙としては軽い切れですが
正宗八分に比べると重い感じです
ですが、価格が¥1000程度というのに驚いてしまいます







最後に、現在主力で使っている無銘の10mm幅小刀
これはこれまで何度か紹介してきましたが
30年程前に研ぎの師匠の紹介で
刀匠に5枚打ってもらったものの最後の1枚です
当時、5枚で\3万ほどでした
鋼は安来鋼・青紙ですが切れは軽く
手持ちの小刀の中では最も切れが軽いものです



2014年1月1日水曜日

江戸時代の巻き絵

年末の大掃除のときに書棚から出てきたもの
数年ぶりに再開
江戸時代に描かれたものです


こちらは「漢人遊山水」という題が付けられているもの


そしてこちらは「漢画扇面」
どちらも雲母引紙きららびきがみに描かれています






これは当時12才の利三郎少年が描いたもの


天保八年二月吉日
利三郎 写之 享年12才
利三郎 写之は別人が書いたものと思われます
父親か誰かが記録のために書いたのでしょうか・・
微笑ましい

2013年12月29日日曜日

Gelas風フラット・マンドリン完成

製作中のGelasジェラ風フラット・マンドリンが出来上がりました
これでしばらく様子を見てみようと思います




















2013年12月20日金曜日

ZDP189全鋼鉋と燕鋼鉋、高炭素鋼鉋 3丁削り比べ


前回に続き、ZDP189全鋼鉋寸四(身幅55mm)と
燕鋼鉋寸四、高炭素鋼鉋寸四、3丁で削り比べを行いました
YouTube動画UPしました







これはZDP189全鋼鉋寸四
削った木は、前回の動画で荒削りをしたスプルース材(軟材)
切れは比較的軽く、楽に削ることができますが
削り屑に艶がありません


削り肌
画像ではよく分かりませんが
所々に筋が入り、全体に荒れています



これは燕ツバメ鋼寸四
動画の音でもお分かりのように
切れが重く、削り屑にも艶がありません


削り肌も荒れています



これは高炭素鋼鉋寸四
切れは軽く、削り屑に艶があります


削り肌にも艶があり
滑らかに仕上がっています

ZDP189鉋身を台に挿げた後 試し削り

研ぎ上げたZDP189全鋼
寸四(身幅55mm)鉋身
の台を作っていく
鉋身は全鋼で、裏出しが出来ないので
ベタ裏にならないように
刃先からやや角度を付けて研ぎました
使った砥石は中研ぎは
電着ダイヤモンド砥石と
人造砥石二種、仕上は天然砥石

鎬面は刃先から1mmほどを
刃角度約30度で研ぎ上げ
使った砥石は裏と同じもの

台にする樫材を窓鋸で製材しているところ

鉋身が収まるところに墨付けをし

ノミで荒掘り

身が収まる溝を切っているところ

台が出来上がりました



YouTube動画に下端の仕上について
質問がありましたので
画像を紹介しておきます
他にもUPしております


スプルース(軟材)と

本黒檀(堅木)を削ってみた
スプルース削りは切れがやや重く
削り肌もやや荒れていましたが
堅い本黒檀には威力を
発揮してくれました

動画撮影後の刃先の状態
小刀同様、刃先の磨耗は早かったのですが
切れは止んでおらず
堅い本黒檀を削っても永切れします