メープル部の塗装に取りかかる
これは木地着色した状態
その後、レモン・セラックを塗った状態
表は無色をセラック・ニスで仕上げていく
ニス塗りの合間に
次に取りかかる特注ルネサンス・ギター
Renaissance Guitarの原寸図を描く
胴体部の形状を
今回は釣鐘型にする
最初の「あたり」は、適当にフリーハンドで描き
それをプラシートに写し取り
それを使い形を描き
気に入らないところを修正していく
一応、出来上がり
その後、ヘッドの頂上を凹ませました
この版画ではフランスの4コースギターとして
紹介されているものですが
当時、フランスは最もギターが盛んだったようなので
各国からギターが集まってきたことは容易に想像できます
フランスのギョーム・モルレイの曲集の
挿絵に掲載されているギターには
スペイン風のものも見られます
釣鐘型というのは
便宜上私が勝手に呼んでいるもので
正式な呼び方ではありませんが
この形状はルネサン時代から19世紀にかけて
ギターによく見られるものです
とりわけイタリアのものは肩からウエスト
にかけての形状に特徴的なものがあり
19世紀ギターでもイタリア製のものによく見られます
これはヴァイオリン製作で有名な
ストラディヴァリが製作したギター
(1688年製のバロック・ギター)
この形状はイタリアの典型的なもの、と言えます
当時の女性のファッションとも共通性があるのでは
これはイタリア、トリノの楽器製作家
カルロ・ガダニーニ作のギター(1802年製)
これも典型的なイタリア風の形状
これは1836年製のガダニーニですが
ガダニーニでもガエタノ二世作
形状は明らかにウィーン風です
これはおそらくウィーンのサロンの
寵児でもあったイタリアのギタリスト
ジュリアーニの影響と思われます
これは19世紀の代表的な製作家の一人
ルイ・パノルモ作のギター(1822年製)
パノルモ一族は、当時ロンドンに工房を
構えていましたが、出身はイタリア
ボディの形状は典型的なイタリア風と言えます
サウンドホールの縁飾りも
イタリアの伝統的なものと思われ
バロック時代のストラディヴァリが製作した
ギターにも同様の装飾が施されています