楽琵琶を製作するにあたり
琵琶のことを色々と調べていて
興味深いことを知った
鎌倉時代初めに書かれた
文机談bunkidanには
琵琶を弾くのをやめるのに
爪を切ったとあり
注解で楽家録gakukaroku巻九を挙げ
琵琶を弾く者は親指と中指の爪を伸ばし
これを切るのは琵琶断念の証拠と説明されている
楽家録を確認してみると
親指と中指の爪を長くするのは
調弦をするためではなく
流泉や啄木などの曲を
爪で弾くことがあるためである
と書かれてあった
また、楽家録巻九の前書では
「もともと琵琶を弾くには
皆木撥を用いていたが
唐の貞観時代(627~649年)の
中頃から
手で弾くことが始められた」
と説明されています
画像文中の「搊琵琶」という字は「琵琶をトク」としていますが
「コトバンク」サイトの
箏の項では
「唐代(618‐907)に至り、清楽は12弦箏を用いたが、他は13弦箏を普通とした。奏法には指で奏する搊(しゅう)、骨製の爪(義甲)で奏する弾、弦を擦って鳴らす軋(あつ)があったというが、搊と弾の意味はかならずしも明確ではない。」
と説明されています
唐時代に書かれた
琵琶行という叙事詩の
挿絵(後の時代に描かれたもの)これは撥で弾かれているが
撥の形状は正倉院に
所蔵されているものと同様
こちらは製作の様子
甲(槽)板の膨らみ削り