以前使っていた1丁の寸八鉋が
あまりに刃が甘かったので
焼き入れと焼き戻しをやり直しました
銘は「やいば」、鋼は安来鋼青紙
また、これを機に寸八の小振りの台の
一枚刃が欲しかったので台も作り換えました
試みに柘植(ツゲ)によく似た
アマレロ材を使ってみました
ツゲ材に似ているといっても
質はやや粗雑で、削り面を台直し鉋で
横擦りをすると表面が荒れてしまいます
それでも滑り具合はいいので何とか使えるでしょう
ということで、早速仕事で使ってみました
製作中の二台のラプレヴォット・タイプの
響板(30年ほど寝かせたヨーロッパ・スプルース)を
荒削りしてみました
荒削りしてみました
以前とは比べものにならないほど切れ味よく
また永切れするようになりました
よく寝かせたスプルースは
鉋の刃先の摩耗が激しいのですが
二台分の響板を削ることができれば合格です
焼き入れをやり直してからは
砥当たりに強靭さが増し、鋼(はがね)は冴え
地鉄(じがね)には厚く地沸(じにえ)が付きました
また、刃と地鉄の境には直刃(すぐは)の刃文(はもん)の
ようなものが現れ、刃の中に長い銀筋も2本出ました
逆目を止めることは出来ませんでしたが
普通に削ることができました
これならば十分仕事で使えます
この鉋は荒い仕事でも使うので
刃口は広めにしていますが
ガンコな不明材のような強烈な逆目を止めるには
刃口はもっと狭くする必要があります
たとえばこの位の刃口ならば
刃の状態が良ければ一枚刃でも
逆目を止めることができます
ということで、一枚刃の鉋が新たに加わりました
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