2015年2月3日火曜日

天水さんが鍛えてくれた生反り小刀 

天水さんから生反り小刀が届きました
どれも素晴しい切れです

生反りは槍鉋(やりがんな)の小さなもので
日本では弥生時代から使われているものです
刃の形状、反り具合など無数の種類があります

先端の反りがもう少し欲しいところですが
鋼の厚みに余裕があるので
研ぎで修正できる範囲です


使われた鋼は安来鋼・白紙1号が2本と
スウェーデン鋼 K120(高炭素鋼)が2本
切れの軽さは白紙1号が優れている感じです

この「生反り」は主に19世紀ギターの
ライニング削りに使いますが
この作業は1台分削るだけでも
かなり手に負担がかかり、切れ軽さは重要なのです
以前紹介したように、今使っているものが
切れが悪いので、何とか切れの優れたものを・・
と思っていたので大変助かります


穂が短いものをさっそく仕事で使ってみました
縞黒檀の木口削りで
しかも木口の全面が削れない状態なので
刃物の切れの軽さとコントロール性能が要求される場面です

少しでも間違えると楽器本体に傷が付く
シビアな場面でもあります

こういったときは刃物に助けてもらうしかありません
たいへん助かりました


先端に反りがないものでも
このように使い道はあります

2 件のコメント:

くわはら さんのコメント...

なるほど難しそうな箇所ですね。
写真で見る限りもっと短い刃の方がラクに作業が出来そうに思えます。

楽器製作家 田中清人 さんのコメント...

この作業ではそれは感じませんでした。
刃を研ぎ上げているのは先端から15mmほどですので
保持もいろいろ出来ます。