2024年10月19日土曜日
鉋研ぎとメープル鉋がけ
2024年5月30日木曜日
大仏の眼と螺髪 そして柊材
2023年2月14日火曜日
匠家必用記 下巻 三、四、五章 読み下し
三 宮造りの事
宮社を造ら(ん)と欲ば先其やしろの故実を尋、あく迄吟味して社の風を定べし。其形様々有といへども、両部習合ならざる社は神明造りか社造りにすべし。是古代の風なり。延佳神主曰、上古宮造りの制法丁寧にして、且(そのうえ)質素也。後世の風俗は是にたがひて花靡(び)也。心あらん人は居家、調度に至迄古代の風をしたふべし。くみもの・ほりもの造は異国の

風にして、両部習合の制なれば、習合の宮はくみ物・ほり物をするともくるしからず。自余の社は組物・彫物を用ずして造るべし。然ば神代質素の理にかなひ、番匠たる人も神の御心に合べし。名目抄にも神社にはくみ物を用ずといへり。伊勢太神宮に組物・彫ものを用ずると有て、名目抄の意を思ひ合べし。中にも延喜式に載たる由来は久しき宮社は猶以て神明造、やしろ造にして可也。然ども伊勢及其外の名高き御社は故実を用ひて造れしことなれば、ことごとくその風に似するははばかるべきこと也。只何となくしっそしやうじやう(質素清浄)にしてかざり無、ていねいに古代の風をかんがへ造るべし。是人々家造りにおごるまじきとの神教也。宮社の図あらましおくに致ぬ。考え知るべし。惣じて宮社を造るには木は桧を用べし。余の木を用べからず。神代巻に、其用当を定。及ことあけてのたまはく、杉及櫲樟(よしょう・クスノキ科)此両樹者浮宝に以為(つくる)可(べし)。
神社の屋根は茅ぶきをほんしきとす。こけらぶき、或は檜膚(桧皮)ぶき、とちぶき、(な)どの中古よりはじむるじんじゃにかぎり、瓦ぶきは大ひにいむ(忌む)こと也。屋根のむねにももちゆべからず。そうじて、とり井よりうちへ入べからず。もしありきたらば、はやくとりすつべきことなりと先輩に(き)けらし。
千木は神社の棟左右へウチちがへたる木をいふ。違木の中略なり。上古宮を造に摶風(はぶ)の端棟へ余りたる象(かたち)也。神代の遺風にしたがひ神社にかぎり是を用。今百家にはハフと名付て棟のうちに包也。女神の千木は内をそぎ、男神の千木は外をそぐ。大政官府製法曰、大社の千木四支長さ壱丈三尺、中社の千木四支壱丈、小社四支長さ八尺云々。又一説に大社の千

木長さ壱丈六尺、壱丈弍尺、中社八尺五尺(寸か?)、小社三尺六寸、又三尺弍尺(寸か?)、弍寸(尺か?)八寸といへり。千木を氷木とも又比木とも、氷橡とも書り。ほうき本記曰、木の片掞(かたそぎ)は水火の起、天地の象也と云り。宮社により二神、三神、五神、七神を祭る宮は其御神名に付て、そぎやう内外のちがひあり。識者に問て製すべし。鰹木は斗木ともいへり。一説に大社の鰹木八丸、長五尺、わたり九寸。中社は六丸、長四尺、わたり八寸。小社四丸長三尺五寸、
2023年1月17日火曜日
匠家必用記上巻九章と十章の 読み下しを紹介
2023年1月12日木曜日
匠家必用記上巻六章 「番匠を大工といふ弁」
匠家必用記上巻六章
「番匠を大工といふ弁」
の読み下しを紹介
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工は百工の惣称なり。上古、木を以て宮殿屋宅諸の器材を制作、之を木匠と云。日本紀に木匠、木工等の字を用ひてこたくみと訓ぜり。近世専(ら)番匠の字を通用して、たくみといへり。むかし飛騨の国の木工多く、諸国へ出る故に飛騨のたくみといゑり。ヒダのタクミを一人とヲボエタルモノあり、甚アヤマリなり。イサハウシ(氏)イハク(曰く)、日本後記にイワク、エンリャク十五年十一月己酉(つちのと・とり)合天下捜挿、諸国逃亡飛騨工等異称。日本伝云、飛騨国多匠氏功造宮殿、寺院造今称飛騨工万葉集の歌に、「とくからに ものはおもはす ひだ人の うつはみなわの たた一すじに」。拾遺和歌集に、「宮つくる ひだのたくみの ておのおと(手斧音)」、などなど。

シカルメヲミシカナ ヒダノタクミは一人にアラスル事をシルベシ。又桶匠(おけや)、檜〇匠(ひものや)、鋸匠(こびきや)、蓋?匠(やねや)、鏈匠(ひきものし)、彫匠(ほりものし)、竹匠(たけざいく)等も上古は皆木匠の内也といへども、後に分れて今それぞれの職となりぬ。職神を祭にも、ともに彼二神を数ふべし。又俗間に番匠をすべて大工といふは非也。大工は禁裏(御所)より定置し木工寮の内は(内輪)名也。百寮訓要抄に大工、権大工は是皆番匠の名也。此職細工所奉行する間、此輩を置るる也といへり。又日本記に舒明天皇

十一歳秋七月詔曰、今歳(この年)作らしむ。大宮及大寺を造。則ち、百済川測(ほとり)を以て、宮所と為す。是以て、西民は宮を造、東民は寺を造。便(すなわち)畫直縣(カエソテフミノアタイアガタ)を以て大匠と為す云々。又伊勢の神宮を造れる番匠を大工といわずして小工といへり。是又禁裏より補任頂戴せる小工職也。位階も六位已下也。然ば是に任ぜざる番匠は大工、小工と書べからず。工匠、木匠、番匠、匠人、じやうじ(匠氏)とう(等)の字を用いて、たくみと訓ずべし。
2023年1月8日日曜日
匠家必用記上巻 五章 「神道は家業に離れざる弁」
匠家必用記 上巻から
五章 「神道は家業に離れざる弁」
の読み下しを紹介
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2023年1月2日月曜日
匠家必用記上巻三章読み下し
匠家必用記 上巻から三章の
読み下しを紹介しておきます
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三 聖徳太子は番匠の祖神に在ら非る弁