製作中のVihuelaビウエラの
響板と裏板の接着準備を行うため
刃先の両耳を落とした特殊薄ノミと
古い会津鉋、身幅15mmの
重高を砥ぎました
これは特殊薄ノミの中砥ぎの様子
使っているのは京丹波亀岡の佐伯砥
中砥としてはやや荒めですが
天然砥石は砥ぎ傷が浅いので
次の段階の砥ぎが楽に行えます
次に使った中砥は岐阜県産の
硬めの小鳥砥Odori-to
これで中砥ぎ終了
そして仕上砥ぎは
京丹波・奥ノ門産の戸前
薄ノミはこれで完了
スマホ片手に片手砥ぎです
最後に検査官がニャ~と登場・・
重高豆鉋はその後
京丹波亀岡、一本松産の
硬口戸前で最終仕上げを行いました
小さいながら、地鉄jiganeは
日本刀のように美しい
砥ぎの検査の後は
袋の検査・・
響板を接着
そして裏板を接着
使い古しの台に収めて
仕事で使ってみました
昔の寸六は少し身幅が
狭い(62mm)ので
現代サイズの寸六
(身幅65mm)用の台には
収まりがやや危うかったのですが
何とか使えそうです
といことで早速製作中のビウエラの
補強材を削ってみました
スプルース削り
こちらは杉材
仕上削りが難しいとされる
杉材も美しい削り肌を
得ることができました
2台分の補強材を荒削り
そして仕上げ削りを行った状態
刃先はほとんど変化ありません
よく乾燥した針葉樹は鉋の刃先が
磨耗しやすく、並の鉋でしたら
刃先が白くなっているところです
その後、鋸挽きの止め台として
使っている堅い欅材を削って
表面を修正してみました
堅材を削っても
刃先はまだまだ健在てす
刃先はかなり強靭で
永切れが期待できそうです
削った補強材を接着
ある方のご厚意で
義廣銘の鉋身を
手に入れることができました
左のものがそうで
サイズは寸六(身幅62mm )
本物の義廣に切り銘のものが
あるのかは分かりませんが
身の造り込みは
古い雰囲気があります
右は義に一の刻印が打たれた
寸四外丸鉋
義と一の刻印が離れて
打たれているのが謎ですが
義の字だけの刻印銘もあるので
義廣鉋の可能性も否めません
刻印銘を拡大
千代鶴是秀写真集に
掲載されている義の一字銘
刻印の字体は違いますね
参考までに
これは義廣刻印銘
道具曼陀羅に掲載されているもの
これは手許にある
田圃義廣の二寸鉋
揚羽マークもはっきりしています
身全体の様子
義廣は三代まで続いたようですが
これは後代のものと思われます
さっそく研いでみることにし
まずは切り銘義廣のベタ裏を
刃物砥ぎ用ディスク
グラインダーで適当に修正
こんな感じですか・・
あとは裏押しを終えてから
再度修正します
こちらは義一刻印銘の方
外丸鉋だったものを平鉋に変え
裏を出してみました
比較的容易に裏が出たので
鋼の焼き入れは甘めのようです
これで良しとします
裏押しを行い、砥ぎ上げてみました
使った砥石たち
左端はシャプトン
「刃の黒幕」320番
その右は荒めの伊予砥
そして羽黒砥
右の2丁は砥取家さんから
お世話になった仕上砥で
左は一本松・戸前
右端は丸尾山の硬口白巣板
上の左は最終仕上げに使った
硬口の菖蒲産蓮華巣板
その右は裏の返り取り専用の
仕上砥で
砥ぎ上げた切り銘義廣・寸六
研いでいると鋼の強靭さを感じ
仕上砥で砥ぎ傷を消すのに
やや苦労しました
炭素鋼系ですが、ヤスキハガネの
白紙1号を研いでいるような
感じを受けました
地鉄(じがね)はローモール錬鉄
でしょうか・・
刃先の拡大画像
(ピンボケお許しを)
刃先がやや乱れていますが
仕事で使うには全く問題ない
レベルです
こちらは義一刻印銘・寸四
焼入れが甘めの影響か
鋼の薄さの影響か
砥ぎ易い鋼でした
地鉄は和鉄と思われ
古い日本刀の地鉄のような
趣があります
甘めの鋼にもかかわらず
刃先がこのように乱れるのは
玉鋼によく見られる状態です
同じ砥石を使って砥ぎ上げても
甘い鋼は(硬度が低く柔らかい)
上の切り銘義廣に比べ
仕上げ砥石の砥ぎ傷が
深く付いています
産地不明の天然中砥
会津砥のような雰囲気もあるが・・
硬口なので目起こしをして
砥泥を残したまま研いだ状態
鉋によっては地鉄にやや荒い傷が付くが
鋼は緻密に研ぎ上がっている
中砥ぎの最終段階として
充分な研ぎ上がりですね
仕上砥ぎは
左の滋賀県相岩谷産の巣板を中継ぎで使い
右の奥殿産戸前で最終仕上げを行った
奥殿産戸前で砥ぎ上げた状態
砥ぎ上げた五枚の寸八鉋
使った天然砥石
砥ぎ上げた鉋でビウエラの響板を仕上げていく
響板のサウンドホールを切り抜いたところ
このようにロゼッタを嵌め込む
スペインから届いたロゼッタ