2013年4月10日水曜日

瞬間接着剤で接着した会津砥


8日にUPしたブログで
砥石を低粘度の瞬間接着剤で
接着することについて
コメント欄で質問を頂きましたが
それに対する返事を書いていて
5年ほど前に接着している
会津砥があるのを思い出しました
ということで、その会津砥を
紹介しておきます
縦方向3分の1ほどのところから
ポキリと折れてしまったものです

四方の表面に瞬間接着剤が
沁み出ない程度に
割れた面に接着剤を塗ったので
研ぎ面にも接着剤の層ができていません
ピッタリと着いておらず隙間がありますが
ここから再度割れることはこれまで
ありませんでした

昨年12月に紹介した和束産青砥
今のところ問題なく使っています


これは8日に紹介した
丹波亀岡・一本松産の戸前ですが
この砥石の側の養生にも
瞬間接着剤を使いました
ノズルから直接砥石に出し
それを布で適当に
側の一面全体に塗り広げました
今は安価なものも売られているので
4g・98円のものを使いましたが
側の4面をぐるりと塗っても
容量の半分ほどしか
使っていないのではないかと思います

参考までに、私は鉋台の木口にも
瞬間接着剤を塗っています

2013年4月8日月曜日

鉋台刃口用ノミ・鑿


鉋台刃口用ノミ・鑿を入手
研ぎ動画をYouTubeにUPしました


最初に使った砥石は
中砥の丹波亀岡・岡花産の青砥
粒度約1200
硬めですが良く反応し
青砥独特の粒度のムラが少なく
たいへん優れた青砥なのですが
運悪く立てにパッカリと
割れてしまったものです
もうかなり前のことだったので
エポキシで接着しましたが
今だったら瞬間接着剤を
使っていたでしょう(参照下さい


次に使ったのは三河中名倉砥(愛知県産)
アツ層のものと思われます


仕上げ研ぎは、中継ぎとして
丹波亀岡・一本松産の戸前を使いました
硬口ですが、反応よく
強い研磨力があります
これは京丹波亀岡の砥取家さんから
お世話になったものです

鋼はほぼ鏡面に仕上がり
これで充分仕上がっています

産地不明の仕上砥で
一応鏡面仕上げを行いました


裏の様子
ベタ裏なので仕上砥に合わせ難い・・
これは透きたいところです・・

このノミは刃口用ということですが
厚みが先端部で2.3mm
元部分が2.6mmほどと
ノミとしては薄く、形状も独特なので
(刃の幅46mm)
楽器製作でもいろいろと使えそうです

2013年4月7日日曜日

古い会津鉋 重利二寸鉋を研ぐ


古い会津鉋 重利銘二寸鉋研ぎ動画をUPしました


動画で最初に使っているのは
丹波亀岡・岡花産の青砥(粒度約#1200)
このように優れた青砥には
今ではほとんどお目にかかれません


次に使っているのは山形県産の改正砥(粒度約#2000)


中研ぎでここまで研ぎ上げておくと
後の仕上研ぎがたいへん楽に行えます



仕上げ研ぎは、最初に中継ぎとして
京都梅ヶ畑・中世中山産の柔らかめの戸前




これで充分仕上がっていますが
(刃角度修正のため、先端から2mmほどを
約27度で研いでいます)



硬めの仕上砥で鏡面仕上げをしておくと
さらに切れ味が増します
使っている砥石は上と同じく中世中山産の並砥層のもの
石質はかなり硬めですが、よく反応しマッタリと研ぐことができます
刃の先端の黒く光っているところが
中央部でごく薄くなっています
これは新たに裏透きをされ
さらにかなり強引な裏出しが為されているためです
元の方にかけて鋼が厚くなっているのを祈るばかりです・・


2013年4月6日土曜日

古い会津鉋 「重利」銘二寸鉋


古い会津鉋 「重利」銘の二寸鉋の身と裏金を手に入れました
身幅は約78mm


刃先角度を約27度に修正のため
刃先から1,5mmほどを研ぎ上げました
裏が透き直され、中央部が強烈に裏出しされているので
中央部の鋼がかなり薄くなっています


焼きはそれほど入っていない感じで
研ぎ上がりの刃先の状態もそのような印象を受けます


台に挿げていきます




身が収まりました


今回は刃口は包口にしました


身が短くなっているので
裏金もそれに合わせるためカットしました





これでバランスがよくなりました


出来上がり


メープルの薄板を削ってみました
二寸鉋で粘りの強い材を削るのは酷ですが・・
YouTube動画UPしました


逆目は止まっていますが
削り肌はやや荒れています
和鋼(玉鋼かどうかは不明)特有の仕上がりで
甘めの焼き入れなので刃に強靭さがなく
堅木を削るのは酷ですね・・
動画でもその感じが伝わってきます


刃先はそれほど摩耗はしていませんが
中央部にある深い錆のため削り肌に筋が残ります


2013年4月2日火曜日

高炭素鋼の寸三鉋でツゲ材を荒削りする

強靭な炭素鋼の寸三鉋を2丁入手

左は古いもので銘は「秀弘」  身幅57mm
これは福岡県の刀匠が鍛えたものだということですが
真偽のほどは判りません・・
錆がひどく、刃切れもあったので
刃先を短くし、裏を透き直しました
研いだ感じでは、かなり強靭な手応えがありました

右は新潟県の鉋鍛冶、樺沢貞雄氏作「貞時」 身幅55mm
鋼は高炭素鋼だということです

こちらは「秀弘」 刃角度は約27度

刃先の拡大画像
焼きがよく入っていても刃先がここまで精緻に研ぎ上がる
というのは期待が持てます・・

こちらは「貞時」
美しい地鉄(じがね)です

こちらも「秀弘」同様、刃先は精緻です
これも期待できそうです

台を調整し、ツゲ材を荒削りしてみました
動画参照下さい



削り肌はどちらも問題ありません

動画撮影後の刃先の状態
こちらは「秀弘」

そして「貞時」
どちらも刃先はビクともしていません
一般的な炭素鋼ではこうはいきません

通常、ツゲ材を削る際には燕鋼や
安来(やすぎ)鋼・青紙スーパーなどの特殊鋼の鉋を使っています

削ったツゲ材は、薩摩琵琶の撥の補修に使いました
薩摩琵琶の撥は幅が広く、最も広いところは30cmほどあります
右側のものはさすがに両端が継いでありますが
左のものは一枚板です・・

ローズウッドの削り比べはこちら