今日はメープルの荒削りを行いました
これは19世紀ギター、ラプレヴォット・タイプの
裏板ですが、ソフト・メープルとはいえ
この材はとくに粘りが強烈で、こういった木を
荒削りするには、やはり身幅の狭い鉋に限ります
とは言うものの、あまり小さな鉋では仕事にならず
力強く削るにはある程度の重さも必要です
ということで、いつもは寸六の
「も作」と「中惣」銘の鉋を使っています
鋼は「も作」は炭素鋼系の安来鋼白紙
「中惣」はスウェーデン鋼と思われますが
「中惣」はスウェーデン鋼と思われますが
以前にも言ったように、青紙鋼は切れが重く
メープル削りには私は使いません
今回、12日に紹介した中惣寸六(身幅63mm)
を試してみましたが、焼き入れを
やり直してからは、見違えるような切れと
永切れの鉋に変身してくれました
そして、これは初代・初弘 寸六(身幅65mm)
これも軽い切れで、楽に削ることができます
ここまできたら、他の炭素鋼系の
新たに入手したものにも登場してもらいましょう
これはスウェーデン鋼の無銘・常三郎 寸八(身幅70mm)
寸八ですが、刃の出を控えめにすれば
荒削りに使えないこともありません
研ぎで刃先を弓形にもしています
そしてこれは昨日紹介した石社鉋 寸八
この鉋は一枚刃なので、やはり切れは軽いです
強烈な逆目があると、一枚刃での荒削りは
無理な場合もありますが、この材は大丈夫です
これは大原鉋の玉鋼二寸(身幅76mm)
これも一枚刃なので二寸幅でもなんとかいけます
そして最後に刀匠・藤井鉋の玉鋼寸八
以上、どれもすばらしい切れ味で、しかも永切れしますが
玉鋼の鉋は他の炭素鋼に比べると
やや切れは重い感じを受けます
最も切れが軽いのはスゥェーデン鋼でした
玉鋼の鉋は他の炭素鋼に比べると
やや切れは重い感じを受けます
最も切れが軽いのはスゥェーデン鋼でした
この後、試しに青紙鋼の鉋を使ってみましたが
やはり切れが重く、メープル削りには
とても使う気になれません
とても使う気になれません
ラプレヴォット・タイプの裏板の荒削り終了です
両面で5mmほど削りましたが
この広さの板でも粘りの強いメープルを
5mm削り落すのは重労働です
どうしても鉋に助けてもらう必要があるのです