2023年8月13日日曜日

描かれた琵琶とリュート そしてコブザ

 

扶桑隠逸伝に
描かれている盲僧琵琶

俳諧百一集から貞室 
歌は「是は是はとばかり花のよしの山」
解説文は「妙境おのづから吉野見ぬ人の目も喜しむ。此一句に此山の絶景尽たり」


金沢大学に所蔵されている
近世の加賀藩における
1年間の行事や風俗について
描かれた絵図
儀式風俗図絵の「七夕:乞巧奠」
には琵琶も描かれているが
これは芸事の上達を願うため
タライに梶の葉を浮かべているのは
七夕の星見をする
設えshitsuraeらしい

この絵では箏が置かれている

現在も行われていて
その様子

大宮八幡宮での「七夕:乞巧奠」


これは琵琶の親戚とも言える
ルーマニアのコブザ
指板にフレットがないのは
アラブのウードにも似ています

さてこちらは
ウードが祖先とされる
リュート
右手の構え方に注目

こちらは左手で弾いてますが
構え方は上の絵と同様で
弾く指は弦と直角になっています

これまで、リュートを弾く指は
このように弦と平行に近い角度で
弾かれるのを
よく目にしましたが

Gerard Rebours氏は
昔描かれているような
奏法を提唱、実践されている

こちらはバロックギター

2023年8月11日金曜日

端材オブジェ クヌギの実

 

陶芸家須藤さんの作品
クヌギの実

こちらは本物

突風で落ちていた



筑前琵琶の撥を作った際の
端材で作ったオブジェ



大きなフィギュア蟻


スライスしたアンモナイト化石の
気房(phragmocone)に
白蝶貝が象篏された商品
よくぞやってくれた!


2023年8月10日木曜日

筑前琵琶の撥を作る


筑前琵琶の撥を作っていく

まずは本紫檀材の製材

一尺窓鋸と

一尺縦挽き鋸で挽き割る


この鋸は両刃鋸を
縦挽き専用に改造したもの

銘は判然としないが
武秀は読める

糸鋸盤で挽く



先端部にするツゲ材




畔挽鋸で接合部の加工



鏝鑿・コテノミで仕上げていく

接着完了


仕上げる前に繰小刀を研ぐ

そして二種類出来上がり


2023年8月6日日曜日

芭蕉と蕪村 奥の細道

 

海外で編纂された「世界の偉大な日記図鑑」を入手。日本人では松尾芭蕉が選ばれているが、手紙ではなく奥の細道が掲載されている。しかも芭蕉が書いたものではなく、蕪村が芭蕉の「奥の細道」を絵巻にした一部が紹介されている。なんで?と、つい思ってしまった。蕪村の奥の細道絵巻を本家の芭蕉の直筆奥の細道と比べて読んでいたら、違っているところを発見。



蕪村が書いた
芭蕉の奥の細道を
絵巻にしたもの
朱線は「路より近し」だが

芭蕉の直筆奥の細道では
「道よりちかし」
となっている

有名な句
蕪村の写しでは
「さみたれを あつめてはやし
最上河」
となっていますが

芭蕉の本句では
「さみたれを あつめてはやし
最上川」です

こちらは蕪村の
奥の細道図屏風
蕪村は琵琶を詠んだ
「ゆく春や おもたき琵琶の
抱こころ」
という俳句がありますが
絵にも描いています
琵琶についての記述は
「其夜目盲法師の 琵琶をならして奥上るりと云物をかたる 平家にもあらず 舞にもあらず ひなびたる調子うち上て 枕ちかう かしましけれど さすかに辺土の遺風忘れさるものから殊勝に覚えらる」

こちらは奥の細道図絵巻

蕪村の文字。「其夜目盲法師の 琵琶をならして奥上留りと云物をかたる 平家にもあらず 舞にもあらず ひなびたる調子うち上て 枕ちかう かしましけれど さすかに辺土の遺風忘れさるものから殊勝に覚らる」

芭蕉直筆 「其夜目盲法師の 琵琶をならして奥上るりと云ものをかたる 平家にもあらず 舞にもあらず ひなびたる調子打上て 枕ちかう かしましけれど さすかに辺国の遺風わすれさるものから殊勝に覚らる」

芭蕉直筆と蕪村の文が
微妙に違っているのが興味深い
「奥上るり」は奥浄瑠璃のこと

因みに
松尾芭蕉の琵琶を詠った俳句は
二句知られていて一つは
「わた弓や 琵琶になぐさむ 竹のおく」
そして「琵琶負て 鹿聞に入 
篠sasaのくま」。