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2025年2月27日木曜日

19世紀ギター 力木接着 そして鉋がけ

 

製作中の19世紀ギター
ラプレヴォット•タイプ
響板の力木接着



音作り完了

メープル裏板の
接着面を整える

鉋がけ
鉋は昔の金井芳蔵銘
たいへん優れていて
メープル材の深い杢の逆目も
完全に止まっている



これは玉璧
硬度7ほどの硬い石を
このように加工するのは
大変だと思うが
よくぞやってくれた


江戸時代の小話から「大石」
うらだなへ引こしてきた
らう人(浪人)、せたいどうぐは、
さっぱりとなく、ひとつ
へっつい(かまど•竈)と
めしたくほうろく一ツばかり。
みまいにくるものへ、
何もないを、
きついみそ(自慢顔•ドヤ顔)
「そうたい武士たるもの、
いるい しょどうぐ
もたぬものでござる。
つね じゅう(重)すぎると、
さあいくといふ時、
身がうんでこまる。
そこでわれらなど、
何ももたぬのです」
「それは聞へましたが、
この上り口の大石は
ふみいしとも見へませぬ、
何でござります」
「それか、それはさむい時
もちあげるのじゃ」

2025年2月25日火曜日

謎の絵師、北斎


江戸時代の謎の絵師
写楽については
これまで様々な考察が
なされてきているが
昨年2024年11月に出版された
谷津矢車氏による歴史小説
「憧れ写楽」では
写楽二人説が展開されている
これにはなるほど
と納得させられた
ネタバレになるが
谷津氏はその一人を
当時の戯作者、黄表紙を
確立させた恋川春町としている
手許にある恋川春町が
絵を描いたとされている
「当世風俗通」や他の黄表紙本の
恋川春町の絵を見ると
写楽とはちょっとかけ
離れているような気もするが
実際のところどうなんだろう

手許にある他の写楽考察本
田中英道氏の「写楽は北斎である」と画家の中村正義氏による「写楽」中村氏は写楽の正体は
徳島県・阿波藩のお抱え蒔絵師で
あった観松斎の工房で
下絵に携わっていた職人
ではないか、としている
これも説得力がある
中村正義氏の考察は
以前ブログで紹介しましたので

これは「憧れ写楽」の
二人写楽のうちの一人
恋川春町の黄表紙本

これも恋川春町が
描いたとされている図
写楽の大首絵と
同様のものが見られるが
写楽とはずいぶん違った
印象を受ける

因みに恋川春町が
描いた琵琶

これは恋川春町とは
関係はないが
同時代に出版された
小話集から「蝉」

「アレアレ金さん、こちらの柳の木にいい蝉がいる」「ドレ、アリャよしな、ひおしぜみだ(鳴かないメスの蝉)」「なんでもいゝ、とってくんねェ」「ソンナラ取てやろう」と、おっかぶせてとってやり「ソレみなさい」「ホンニおしぜみだ、にがしてやろう」とはなす。せみ「こふあろふ(こうあろう)かとおもふて、だまっていた」
私のHPでは描かれた蝉を
いろいろ紹介しています

同じく丹波栗が題材の
大栗
絵は北尾政実

「おらが国のくりは丹波栗と云て、風味のよさ、又栗の大きさが三寸程つゝ、夫レ故いがで有る時は大きさが」と、両手を壱尺ほどひろげて「これ程有」といへば、「いかに丹波栗じゃとて、あんまり手のひろげようが大そうだ、もちっとせばめれや」「そんなら此位も有ふか」と、少し手をせばめければ、「もっとせばめれや」といはれて、手をせばめながら「あいたゝ」

2025年2月7日金曜日

岩佐又兵衛が描いた琵琶


江戸時代初期の絵師
岩佐又兵衛が「堀江物語絵巻」に
描いている琵琶

撥面に満月が付けられて
いるので、平家琵琶と思われる
柱(ju: fret)が
省略されているのが惜しい

こちらは「浄瑠璃物語絵巻」に
描かれている琵琶
とんでもない代物で驚かされる

まず撥面の位置がおかしい
琵琶の撥面は
覆手 bridgeの上に
貼られるものだが
これは覆手の下に貼られている
それから、鶴首がなく
柱ju:fret が現代の
中国の琵琶のように
腹板(響板)に付けられている
サウンドホールの
三日月も位置がおかしい

こちらは「小栗判官物語絵巻」に
描かれている琵琶

上の浄瑠璃物語絵巻の
琵琶とよく似ているが
撥面の位置は正しい
柱の付き方は
浄瑠璃物語のものと同様
異様である

これも同様
この絵は以前紹介したものです

通常の琵琶

また、岩佐又兵衛が描いた
「月見西行図」には西行の歌が
したためられているのだが
よく知られている西行の歌とは
ちょっと違っているのは
なぜか・・気になる
よく知られている西行の歌は
「月見ばと 契りおきてし 
ふるさとの 人もや今宵 
袖ぬらすらむ」だが
岩佐又兵衛の西行図では
「契りおきてし」が「契りていてし」となっている
歌全文は
「月見はと 契りていてし
ふる郷の 人もやこよひ
袖ぬらすらん」
意味は同様で問題ないのだが
これは又兵衛の記憶違いなのか
どうなんだろう

万華鏡シリーズ
鉱石の寄せ集めを覗く

覗いた鉱石

こちらは藍銅鉱
青と緑のバランスが美しい

黄鉄鉱化したアンモナイト化石と
エスカルゴの殻

表面が金属化した
アンモナイト化石

この化石の珍しいところは

アンモナイトの連室細管が
立体的に露出しているところ



2024年12月11日水曜日

ルネサンスギター、バロックギター出来上がり


製作中のルネサンスギター
ペグの穴開け



そしてナット溝を挽く


ナット溝加工のための
細鑿nomi  の研ぎ上げ

そして完成
弦長450mm


こちらはバロックギター
弦長630mm
ストラディヴァリ・モデル


2024年12月5日木曜日

平家琵琶製作 そして正倉院鼓の革


平家琵琶の製作に取りかかる


甲はブラックウォルナット

腹板のタモ材



これは正倉院に
所蔵されている鼓の残欠
革の部分は正倉院に関する
書物では不明とされているか
革についての説明は
なされていない

ところがつい先日手に入れた
1951年(昭和26年)に
岩波書店から出版されている
岩波写真文庫「正倉院」では

「皮は犬といわれ」と
説明されている


2002年〜2004年にかけて
正倉院所蔵の皮革の
材質調査が行われ
その結果が公開されていますが
鼓の革については
特定は困難とされています