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2026年5月5日火曜日

古代の木工轆轤 角盥と楾

 

先日製作した角盥


そして注ぎ口を付けた楾hanzo
これらを作る際に
参考にした資料の一部を紹介

雄山閣から出版されている
木工の考古学
轆轤rokuroは弥生時代から
使われていたようだが
現物は確認されておらず
轆轤で作られたとされる木製品は
状況証拠として確認できる
しかしながら
研究者の意見は分かれているようだ

奈良県の弥生時代の遺跡
唐古遺跡から出土している木工品
右のものは刳り加工と思われるが
左側の2点は轆轤による加工と思われる



これは上の画像のものと
同様のものか・・

轆轤は描かれているものとしては
14世紀のものが最古とされているようで
弥生時代のものも
それほど違わなかったものと思われる

加工されたものは古墳時代のものと
奈良時代のものに
口径46cmのものがあるのには
驚かされる



古代西アジアの轆轤

西洋にはこのようなものも
あったようだ




室町時代頃の轆轤師の職人絵
出来上がった角盥と楾hanzoが
セットにされている

これは蒔絵師が角盥に
黒漆を塗っているところ

角盥と楾を使っているところ



2026年4月26日日曜日

忝ないの語源 そして貝殻

 

江戸時代に出版された塩尻百巻から
「忝ない(かたじけない)」について。
カタジケナシという言葉は本来は
「アリカタシオホケナシ」というそうで、
この言葉からアリとオホを略して
カタジケナシという、と説明されている。
知らなかった
カスタマーハラスメントを
カスハラと言うようなものか・・
以下、画像の文を読みやすいように
整理したもの。
「俗に物の有りかたく覚ゆる事を
「かたしけなし」といふ。忝(テン)の字
辱の字を用ゆ(中略)。
辱は耻(恥)也、悪也、汚也等。字註あれとも
物のありやすからぬをいふ事見えさるにや。
知る人考へよ。儀礼の集補に車ニシテ
送拝ムカヘテ辱其註カタジケナキシを考ふるに、
諸公賓と相為ナル時其国君来賓を郊労すとて
車に乗りて郊門迄出て、他國の君の自屈
辱して来るを謝すと見えたり。
是、其、辱むかふの人(はずかしむ向こうの人)
に有てこなたより謝するをいふ也。
今の人何事も自(オノズカラ)かたしけなく
存るなんといふはあたらさる歟(カ)。
但し人の労を謝するは意かなへり。
カタジケナシといふ言又解しかたし。
歸命本願抄要解に此和語の心は
「ありかたしおほけなし(ありがたい、
身の程を知らない)」といふ義なるへし。
アリとオホとを略してカタジケナシと
いふなるへしと云々。」

造物神お気に入りの模様か・・
同じようなパターンを
違った種類に使い回している



こちらはイチョウガイ



この部分は折り紙のように
折りたたまれている
まったく驚かされる

2026年4月9日木曜日

ギター糸巻到着 そしてショイヒツァー


来週製作する特注19世紀ギター
ウィーンタイプの糸巻が
出来上がってきた


こちらはこれから製作する
ポルトガルギターの糸巻


以前紹介したショイヒツァーが
描いた古代イスラエルのダビデ王
ダビデが持っている楽器が
ショイヒツァー当時の
ゴシックハープなのがおもしろい

GoogleGemini先生が
描いくれた竪琴

ダビデは若い頃竪琴の名手でもあったが
投石も得意で、ペリシテ最強の戦士
ゴリアトを投石で倒し
その後、イスラエルの王となった

投石については

石で石

2026年3月17日火曜日

正倉院所蔵琵琶の覆手

 

正倉院型五絃琵琶の問い合わせがあったので、
資料を引っぱり出して眺めていて、おや、と思ったこと。
それは五絃琵琶ではなく紫檀木画槽琵琶第二号(南倉101)のことだが、
この琵琶の覆手(ブリッジ)はイチイ材とされているが、
楽器部品の機能として軽い針葉樹のイチイを使う
というのは考えられず、これはどう見てもイチイ材には見えない。
一見オリーブ材である。
正倉院所蔵の他の琵琶は堅く重い紫檀が使われている。
この琵琶だけ異質の材が使われているが、
私がこれまで使ってきた材のなかではオリーブ材が最も近い。
あるいは白檀や桜材の可能性もあるかも。

1967年に発行された「正倉院の楽器」での説明では
楓・カエデの類とされている。


1991年発行の「正倉院宝物にみる楽舞・遊戯具」では
覆手の材質の説明はない。

2019年発行の「紫檀木画槽琵琶」では
イチイと説明されている。

2002年発行の「日本の美術 正倉院宝物の素材」もイチイ。

紫檀木画槽琵琶に掲載されている覆手の写真。
これはどう見てもイチイ材には見えない。
もしイチイであったとしたら、
イチイ材は経年変化により黒褐色に変色するので
1300年ほど経っていれば、もっと黒くなっているはず。
どう見てもオリーブ材に近いものだと思う。

板目交じりのイチイ材(針葉樹)

オリーブ材(広葉樹)

オリーブ材で作った鉋台

桜材の中にもよく似たものがある

これは白檀材、この可能性もありそう