2015年5月21日木曜日
2015年5月20日水曜日
清仁銘寸八を仕事で使う
昨日紹介した古い鉋身
清仁銘・寸八
仕込み角度57度だったものを
刃の研ぎ角度を約28度に研ぎ直し
矩勾配(45度)の台に挿げ換えてみました
手前の九分勾配(約42度)と比べると
こんな感じです
これで製作中の2台分のギターの
厚み4mmほどに製材された
ローズウッドの横板材を約1.8mm厚まで削りました
仕込み勾配57度に比べると断然削りは軽く
作業性は向上しました
ローズウッドの横板削りに使った鉋
左3丁は荒削り用で左から粉末ハイス鋼(身幅55mm)
青紙鋼(身幅50mm)、青紙スーパー(55mm)
右の2丁の左側は青紙鋼(身幅60mm)の中仕工用
右端は今回手に入れた清仁銘・寸八(身幅73mm)
鋼は青紙と思われます
荒削りに使った清忠は途中で切れが止んだので、
その右の青紙スーパー鋼と持ち換えました
荒削りに使った粉末ハイス鋼の鉋(身幅55mm)
刃角度は約28度
荒削りながら、強烈な逆目もほぼ止まっています
荒削りでここまで逆目を止めておくと
後の作業がかなり楽になります
これも荒削りに使った清忠銘(青紙鋼・身幅50mm)
刃角度は約30度
これも同様に深い逆目もほぼ止まっています
仕上げ削りに使った清仁・寸八(身幅73mm・青紙鋼)
刃角度は約28度
仕込み角度57度のときよりも切れは格段に軽く
鉋屑も素直になりました
逆目は完全に止まり、全体に滑らかに仕上がっています
厚めに削っても楽に削ることができ
しかも逆目を完全に止めることができます
これで作業性はかなり向上しました
ギター2台分の横板を仕上た後の刃先の様子
刃先から2mmほどを刃角度約28度で研いでいます
仕上砥ぎに使った砥石は丹波亀岡神前産戸前
やや刃先が白く磨耗していますが
まだまだ切れは止んでいません
かなり永切れします
2015年5月19日火曜日
粗めの砥石の接着 そして清仁銘の寸八鉋
以前、天然中砥石の接着について紹介したことがありますが
今回は荒めの砥石の接着について紹介しておきます
この画像の砥石は、現在私が唯一刃付研ぎとして使っている
人造砥石、SHAPTONシャプトンの「刃の黒幕」grit320です
この砥石は荒研ぎとして頻繁に使うので
これまでかなり新調してきましたが
刃の黒幕は厚さが薄いので
私はこのように新しい砥石を
使い減ったものに接着しています
この時の接着剤はゼリー状の瞬間接着剤を使っています
中砥は低粘度のものが有効ですが
粗めの砥石は低粘度ではちょっと心配なので
ゼリー状のものを使っています
木工用の瞬間接着剤(ゼリー状)は
木を接着する際はやや時間がかかる場合がありますが
砥石の場合は数秒であっという間に接着完了します
塗る場合はこの画像の白い線のように塗っています
さて、こちらは今回手に入れた
古い寸八鉋身(身幅73mm)、銘は清仁
この銘についてご存知の方はぜひご教示願います
鋼は特殊鋼系ですが、裏出しと研ぎを行った印象は
焼き入れはそれほど強靭ではないようですが
強い粘りを感じました
台尻にはこのような刻印があります
刃角度がかなり低く研がれていたので
刃先から1mmほどを約30度に修正
台も長い間保管されていた様子で
使われた形跡はありません
興味深いのは身の仕込み角度ですが
57度もあります・・
これで二枚刃になっているのは
どういう目的で作られたのでしょうか・・
これまでの経験から、これはかなり使うのが難しい気がします
手前は通常の仕込みのもの(義廣寸四・身幅60mm)で
約40度(八分五厘勾配でしょうか・・参照下さい)
とりあえず台の仕込みを調整し
台も全体に削って汚れを除去しました
さっそく仕事で使ってみましたが
案の定、使うのに苦労しました
身の仕込勾配が大きいので
厚めに削るのが難しく、逆目を止めるための
押金(裏金)の刃先への寄せ具合が確認しにくいのです
鉋屑が縮れていますが、これも仕込勾配が大きいためです
逆目を止めるだけの目的ならば
90度仕込みの立鉋がよいのですが
立鉋では薄く削ることしかできず
厚みを減らしながら深い逆目を止めることはできません
また刃先の磨耗が激しいので
ギター1台分を仕上げるには
何度も研ぐ必要があるでしょう
それから、立鉋にもっていくまでの
下削りといいますか、中仕工削りに気を遣う必要もあります
さて、清仁銘・寸八で削ったローズウッドですが
何とか深い逆目を止めることは出来ましたが
このように仕込み角度が大きいと
厚めに削りながら深い逆目を止めることは
ほとんど不可能と言っていいでしょう・・
ギターの横板1枚を仕上た後の
刃先の状態ですが
ほとんど変化はありません
刃先の強靭さは期待できそうです
これは、現在ローズウッドの仕上げ削りに使っている
義廣銘(参照)の寸四ですが
上の清仁の鉋屑よりも厚めに削っていますが
縮れはなく
しかも逆目もほとんど止まっています
このように、実際に仕事で使うには
出来るだけ軽い削りで厚みを減らし
しかも深い逆目を止めることができる必要があるのです
2015年5月17日日曜日
淡竹の筍 そして美しいタモ材
昨日のことですが
近所の御方から淡竹(はちく)の筍を頂きました
淡竹はアクやエグ味がほとんどないので
掘りたてやから生でいけるで・・
というこのなので
包丁でちょっと切ってみたら
瑞々しい・・
さっそく頂きました
ワサビしょうゆ、味ポン、どれもいい
味噌でもいいかも
タケノコ独特の風味が繊細で
春の香り・・とでも言うのでしょうか・・
幸せ感が体中に広がりました
筍さんに感謝
さてこちらも昨日の出来事ですが
今日は大阪で「広葉樹フェア」がある日だから、と
喜び勇んで会場の中田木材に向かう
到着したら、あらま、明日でした・・トホホ・・
それでも橘さんが気を遣ってくれて、これはワタクシのために
用意していたものだから・・と美しい杢のタモ材を見せてくれました
感謝
帰り道、車が信号で止まる度に脇の毛布をめくっては
チラリ・・ニタ~~
途中、休憩しようと、能勢の道の駅に寄ったら・・
なんと、木材が売られているではないですか
しかも探していた桑材まである・・早速これは購入・・
ついでにラック・ウォルナットも
収穫
桑材はかなり古く、重いのでもしかして島桑かも・・
これは注文を受けている五組の茶入を作ることもできる大きさ
ありがたい
それからの帰り道はニタ~~が倍増・・
タモ材は充分乾燥しているということなので、すぐ使える
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