古い会津鉋、重上・寸六(身幅66mm)を
手に入れました
研ぎ上げた状態
鋼(はがね)は和鉄(玉鋼)と思われます
重上は刃先の強靭さに評価が高く人気があり、
偽物も作られたということですが、この鉋は果たしていかに・・
使ってみれば分かるでしょう
研ぎに使った砥石、すべて天然砥石
中央左から中砥ぎの最初に使った茨城県産
深沢砥(粒度は約#800)
その右は中砥の栃木県産荒内砥(粒度約#1200)
その右は三河名倉砥(層はボタンと思われ粒度は約#1500)
右端は仕上砥ぎの中継ぎに使った京丹波亀岡、神前(Kouzaki)産戸前
下は最終仕上げに使った茨城県産赤沢砥
上は裏研ぎ専用の京都梅ヶ畑、奥殿(Okudo)産白巣板
地鉄(じがね)は幕末期の日本刀のような研ぎ上がり状態です
この鉋身は元々は外丸鉋と思われ、その形跡が
身の鎬部分の両端に見られます
刃先の拡大画像(約180倍)
先般紹介した重高・寸六とよく似た印象を受けます
研いだ感じや砥石の傷の付き方から
やや焼き入れは甘いかな・・
という気がします
台を自分好みに変えているところ
まず、木端返しの角度を修正しました
二枚刃鉋は一枚刃鉋と違って
押金(裏金)で逆目を止めるので木端返しは必要ありません
深い逆目を止めるには二枚刃の先端の様子を
確認できることが重要なので私は木端返しは
ほぼ90度に切り下ろし、幅も狭めにしています
刃口はできるだけ狭い方がいいのは一枚刃鉋と同じ
以前紹介した押金考参照下さい
木端返し部分出来上がり
鉋身を押さえる溝を修正しているところ
刃口部分が出来上がりました
次に削り面を調整(下端削り動画参照下さい)
出来上がりました
刃口の幅が不揃いでやや広すぎるが
中仕工鉋としては何とか使えそうであります
さっそくハカランダ材を試し削り
玉鋼独特のサリサリとした削り心地です
荒削りながら、深い逆目もほぼ止まっています
永切れを期待したいところであります
これからしばらく仕事で使ってみます
その後、いろいろ使ってみた結果
刃先の持ちが悪く
仕事で使えるレベルではありませんでした
重上鉋は往時かなり評判がよく
偽物も出回ったようですが
これはもしかして、その偽物かもしれません
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