2012年12月30日日曜日
沼田砥を使って石社銘寸八鉋を研ぐ
YouTubeにUPした動画の画像を紹介しておきます
これは前回の動画でも使った京都相楽郡和束産の青砥
動画では石社(いしこそ)鉋寸八を研いでいますが
この画像は常三郎銘の寸八です
鋼はスウェーデン・サンドビック鋼のなかでも
1970年代の優れたものが使われているということです
次に使った中砥は群馬県産の本沼田砥
これは以前紹介したひょうたん沼田砥の層よりも
上にあった層だということで
ひょうたん沼田砥よりも柔らかい石質です
それでも締まった石質なので
目起こしをして研ぎました
仕上げ研ぎの中継ぎは
京都梅ヶ畑・鳴滝産の戸前
やや柔らかめで良く反応し
強い研磨力があります
最後の鏡面仕上げは
同じく梅ヶ畑の中世中山間府で採掘されたもの
硬めですが硬さを感じさせない砥当たりで
心地よく研ぐことができます
小振りかがな文句なしの仕上砥です
これは動画で研いだ石社銘の寸八鉋身
研いだ鉋で仕上げたメープル材
大河の流れのような模様と
カール杢が交錯した美しい木目です
こちらはさざ波のような杢が出ているブビンガ材
これを削るにはハイス鋼と燕鋼の鉋を使いました
これらの材は、これから製作していく
2台のラコート・タイプの裏板で
どちらもスプルースを貼り合わせた合板にします
2012年12月28日金曜日
京都相楽郡和束産青砥を入手
画像を紹介しておきます
今回手に入れたのは
京都相楽郡和束wazuka産の青砥
江戸時代の中頃
正徳二年(1712年)頃に出版された
日本山海名産図会で説明されている「杣田」が
和束産のものなのでしょうか・・
興味が湧きます・・地図参照
一般的に、仕上砥は板目面で研ぎ、
青砥は柾目面で研ぐとされていますが、
この青砥は板目面が
研ぎ面になっていました
現状で側になっている柾目面で研いでみると
やはり研磨力が強く減りも少ないので
このように半分にカットし
柾目面が研ぎ面になるように向きを変え
瞬間接着剤で接着しました
面を平らにした状態ですが
これで柾目面を研ぎ面にすることができました
動画はこの状態から研ぎ始めました
参考までに、これは丹波亀岡・岡花産の青砥
これまで様々な青砥を使ってきましたが
この岡花産の青砥は最も優れています
こちらは和束産の青砥ですが
丹波岡花産よりも研ぎ感が力強く
研磨力もはるかに強いものでした
これには驚きました
砥石の硬さはこちらの方が上の岡花産よりは
やや柔らかい感じですが
柔らかさを感じさせない砥当たりです
研ぎ傷も砥当たりの印象よりも緻密で
粒度は岡花産とほぼ同じですが
研ぎ傷の方はこちらの方が浅いかな
という印象を受けます
動画でも行いましたが
板目面でも研いでみました
柾目面より滑らかな研ぎ感ですが
研磨力は落ちる感があります
鋼の研ぎ傷は柾目面よりも
緻密に研ぎ上がっています
ということは最初に柾目面で研いで
その後、板目面で研ぐということもできそうですね・・
そして、動画で仕上げ研ぎの中継ぎとして使った
京丹波・日照山産の戸前です
この産地は京都府の仕上砥産地としては最北になります
日照山は数年前に閉山され、今では採掘されていません
地図参照下さい
この仕上砥はやや硬めですが
研ぎやすく、強い研磨力があります
日照山産の仕上砥は「合石成り」の砥石山なので
梅ヶ畑のように「本口成り」のものよりも
研磨力が落ちると言われていますが
この砥石を使ったかぎりでは
そうとは言えない印象を受けます
地鉄(じがね)は微塵に曇り
鋼(はがね)はやや光るほどまで仕上がりました
この状態でも充分仕事で使えます
動画で最終仕上げとして使った仕上砥で
滋賀県高島の相岩谷(あいおいたに)産です
硬い石質ですが、よく反応し強い研磨力があります
ピカピカの鏡面に仕上がります
2012年12月17日月曜日
梅田竹生氏の驚異の作品
一昨日、ちょっと京都に行ってきました
四条大橋からの眺め
鴨川西岸
こちらは鴨川東岸
目当ては高島屋で行われている
「梅田純一親子四人展」
左はシルバー・アクセサリー作家として活躍中の
長男・梅田竹生氏
氏の作品は驚くほど精緻なのです
こうして拡大しても鑑賞に耐えられるというのは驚異です
これはそのうちの一つでペンダント・トップ
2cmほどの世界です・・参照
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