江戸時代の「女性のための手紙の書き方用例集」
とも言える
大判の「絵入 女子日用文」を入手
表紙や奥付が紛失していて発行年など判らないが
江戸時代中期以降のものか・・
時節柄、春の花見のところを紹介
いつの時代も花見は浮かれるのでしょうね・・
鈴木まどかさんの協力を得て
現代語に書き換えてみました
花見催寿(す)文fumi
「このころは長閑nodoka成naru
空うら続き四方yomo の
はな(花)も最中monakaのよし
承uketamawari侍haberi候sourou 近々に
何方izukataえ(へ)なりとも御供申し
あげたく候 ささへ(え)
などは是より用意
いたしまいらせ候sourou
めで度takuかしく」
同返事
「御玉つさ拝し侍haberi候sourou
明後日(あさって)は御庭面の
御花見御催し候に付
わたくしも参じ候様youに
仰oose下され かたじけ
なく ぞんじ侍候
御めもじにて御礼申し
あげまいらせ候べし
めでたく かしく」
この本は1頁(厳密に言うと2ページの両面)が
3枚合わせになっていて
見えない真中の紙はやや厚く
全面にキラ(雲母)が入っている贅沢なものとなっている
最初の頁peijiの「四方の」の「の」は
「農」の字が当てられていますが
私は読めず、鈴木まどかさんに
ご教示頂いたものです
変体仮名にはいろいろの漢字が当てられますが
「の」には乃、能、野、廼、農、濃などがあります
この色紙は本阿弥光悦のものですが
ここでは三行目に濃と能が使われています
長月もいく有明に
成ぬらむ
あさち(朝路?)の月の
いとさ日(び)行