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2021年12月8日水曜日

井蛙抄 挿絵入和歌 覚書 八

井蛙抄seiashoから
挿絵入和歌最後の紹介
重複したり足りなかったり
ということもあると思いますが
その点ご容赦願います

みつきつむ
大くら山は ときはにて
色もかはらず
萬代を得ん

あすもこん
野路の玉川 萩こえて
色なる波に
月宿りけり

玉川の 岸の山吹
影みえて 色なる波に
かはつ(カエル)なく也

見わたせは
波のしからみ かけてけり
卯花さける 玉川の里

大原や をしほの山も
けふこそは 神代の事も
おもひいつらめ

2021年12月5日日曜日

井蛙抄 挿絵入和歌 覚書七


井蛙抄seiashoから
挿絵入和歌
玉くしけ ふたみの浦の
かひしけみ
まきえに見ゆる
松の村立

人とはは
見すとはいはん 玉津島
かすむ入江の はるの曙

春の夜の おほろの月の
かつらかた
山まてつたふ 海の中道

浅ちふ(茅生)の
をのかしの原 忍ふとも
ひとしるらめや
云人なしに

我庵は 都のたつみ
しかそすむ
よをうち山と
人はいふなり

まのの浦の
淀のつき橋 心にも
思ふやいもか
夢にし見ゆる

雲の色を
うはいて咲る 卯花に
をのの里人
冬こもりすな

2021年12月4日土曜日

井蛙抄 挿絵入和歌 覚書 六

 

井蛙抄seiashoから
挿絵入和歌
伏見山 松陰よりも
みわたせは
あくる田面taomoに
秋風そふく

松陰の 入海かけて
しらすけの
みなと吹こす
秋のしほかせ

音にきき 目にはまたみぬ
吉野なる 六田のよとを
けふ見つる哉

玉川に さらすてつくり
さらさらに
むかしの人の
恋しきやなそ

立わかれ
いなは(因幡)の山の
山の峰におふる
松としきかは
今かえりこむ

ささ波や
しかのうら風 いかはかり
心のうちの すすしかるらん

夕されは
吹風こして みちのくの
野田の玉川
千とりなく也

2021年12月2日木曜日

井蛙抄 挿絵入和歌 覚書 五

井蛙抄 seiasho 和歌
ことしより
千とせの山は 声たえす
君か御代をそ
いのるへらなる

おさまれる
民の草葉を 見せかほに
なひく田面の
秋のはつ風

こきよせて(漕ぎ寄せて)
とまるとまりの 松風を
しる人かほに
いそく夕暮

八雲たつ
いつも(出雲)八重垣
つまこめに
やへかきつくる
その八重垣を

千早振
神なひ山の
榊sakaki葉を
さしてそいのる
萬代のため

和歌の浦に
しほ(潮)みちくれは
かた(潟)をなみ
あし(芦)辺をさして
田靏鳴わたる

するか(駿河)なる
たこ(田子ノ浦)のうら波
たたぬ日は
あれとも君を
恋ぬ日はなし

2021年11月30日火曜日

井蛙抄 挿絵入和歌 覚書 四


井蛙抄から
岩くらの
小野の秋津に 立雲の
はれすそ鹿の
つまをこふらん

白雲の 
春はかさねて たつ田山
小倉の峰に
はな匂ふらし

駒とめて
袖打はらふ 陰もなし
さののわたりの
雪の夕くれ

波風も のとかなる世の
春にあいて
網のうら人
たたぬ日そなき

なくせみの
はにおく露に
秋かけて 木陰すすしき
夕くれの声

よしの川
岩もる水の わきかえり
色こそ見えね
下さはきつつ

おもひ出は
おなしなかめに
かへるまて
心に残れ 春の曙

2021年11月28日日曜日

井蛙抄 挿絵入和歌覚書 参

時雨に
はいろもかわらぬ
高砂の 尾上の松に
秋風そ吹

山風の
吹ぬるからに 音羽川
せきわきぬ花も
瀧の白波

秋あさき
日かけに夏は 残れとも
くるるまかきは
萩の上風

おもふとち
そこともしらす
ゆきくれぬ
花のやとかせ
野辺の鶯

駒なめて
こせの春野を あさ行は
あおきか原に
きしす鳴也

桜花
うつろふ春を あまたへて
身さえふりぬる
あさちふの宿

高砂の
松のみとりも まかふまて
おのへの風に
花そ散ける

2021年11月24日水曜日

井蛙抄 挿絵入和歌 覚書 弍

井蛙抄seiashoから
挿絵入り和歌
おしなへて
花の盛に 成にけり
山の端かとに
かかるしら雲

よしの山
やかて出しと 思ふ身を
花ちりなはと
人や侍らん

雲はらふ
夕風わたる ささの葉の
音やさやかに
いつる月影

ともしして
今宵もあけぬ 玉くしけ
二村山の 峰の横雲

春たつと
いふ計にや みよし野の
山も霞て 今朝は見ゆらん

ほのほのと
あかしの浦の 朝きりに
島かくれ行
舟をしそ思ふ

人ならぬ
岩木もさらに
かなしきは
みつの小島の
秋の夕暮

2021年11月23日火曜日

井蛙抄 挿絵入和歌 覚書 壱


井蛙抄から
立かへり
又もきてみん
松しまや
をしまのとまや
波にあらすな

又やみん
かたの(交野)のみのの
桜かり
はなの雪散
春のあけほの

なをさゆる
けしきにしるし 山桜
また冬こもる
梢なるらん

思いきや
しちのはしかき
書つめて
もも夜も同し
まろねせんとは

むかしより
めくみひろ田の
神ならは
さりとも秋の
心しるらん

したふへき
冬には雪の おくれいて
春ともいはす
さえわたるらむ

かけしあれは
おられぬ波も おれけり
みきはの藤の
春のかさしに