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2012年5月1日火曜日

不思議な符合・・



先日出来上がった平家琵琶
神奈川県に旅立っていったのですが
注文をして下さった方が
その琵琶のことを近所の氏神様に報告に
行かれたのだそうです

先般説明したように
この平家琵琶の撥面には
木曽義仲に因んだ絵を描いたのですが
なんと、報告に行かれた神社の宮司さんは
木曽出身の方で
その地は木曽義仲の菩提寺が
ある所なのだそうです

これには驚いてしまいました・・
こんなことがあるのですね・・

2012年4月26日木曜日

2012年新作・平家琵琶

新作・平家琵琶
鈴木まどかさんにより
「相応」という銘を頂きました

腹板(表板)はタモ材

(裏板)は紅花梨材
(マメ科のカリン)


撥面は木曽義仲に
因んだ絵を描きました
と言ってもほとんど私の創作で
木曽で育てられた
駒王丸(義仲の幼名)
花梨(バラ科のカリン)の実を
もぎ取ろうとしている
ところです
当時(平安時代末)
バラ科の花梨が
日本に入って来ていたのかは
不明ですが・・
絵の奥に描いているのは
木曽山脈で
中央左の山は駒ケ岳です
こういった絵は勢いが
大事なので
下描きなしで一気に
5分くらいで描きました
撥面の素材はこれも木曽義仲に
因んで馬の革を使いました




琵琶を置く台は欅材と
バラ科の花梨材を使いました
この花梨材は琵琶を
注文して下さった方の
思い出が詰まったもの
だということで
私もできるだけ琵琶の
素材として使うことが
できれば、と願いながら
製作していきました
撥面に貼っている月もこの
カリン材を
輪切りにしたものです


鶴首にも使うことができました


2012年4月12日木曜日

平家琵琶の柱を作る


製作中の平家琵琶の
(じ・フレット)を作っているところ
材料は柘植(ツゲの木)動画UP

柱の両端の仕上げは
長勝導突鋸で挽くだけで済みました

滑らかな切り痕で
この状態でもう仕上がりです
動画UPしました

柱が出来上がりました

柱の高さと絃との接点を仕上げて接着
これで楽器本体が出来上がりました
これから琵琶を置く台を仕上げていきます

2012年4月11日水曜日

平家琵琶の転手を作る


製作中の平家琵琶
転手(てんじゅ)の製作工程を紹介しておきます

これは原材の縞黒檀を
木工旋盤にセットしたところ

旋盤加工の動画をUPしました

輪郭の出来上がり


それを八角形に削ります(動画

握り手部分の先端を仕上げ(動画

磨いて出来上がり


あとは絃を掛け、柱(じ)を作れば完成

2012年4月5日木曜日

平家琵琶の撥面と落帯を仕上げる


きょうは製作中の平家琵琶の
撥面と落帯を仕上げました

こちらは下染めをした状態の落帯
落帯の模様については
木曽義仲のルーツである民族のシンボル
双魚紋を入れようと思っていたのですが
その背景をどのようにするか
なかなかアイデアが浮かばなかったのです
今朝、唐三彩のイメージで・・
という閃きがあったので
一気にやってみることにしました
色を作っているときに、何か懐かしいもの・・
という思いが出たので
そのような雰囲気にもっていったのですが
そのときふと、木曽義仲は
おばあちゃん子で、左利きだったのでは・・
という思いが浮かんだのです
何故なのか、不思議なことでありました

出来上がった落帯
双魚紋は縦の双魚にしました
琵琶の胴体に貼り付けてから
表面に保護処理剤を塗りますので
もっとクッキリとした質感になると思います
木曽義仲に因んで馬の革を使用しました

撥面は楽器が出来上がってからの
お楽しみということで・・

2012年3月31日土曜日

平家琵琶の覆手を接着


製作中の平家琵琶の覆手を接着しました


 腹板(表板)の膨らみは鉋仕上げのままなので
均一な凸面ではありません
ですから、平家琵琶の覆手の接着面を
仕上げる際には、じっくりと
少しずつ削っていくしかなく
 この作業に時間は惜しみません
 このときには二種類の四方反り鉋を
使いますが、その調子がいいと大変助かるのです

2012年3月28日水曜日

平家琵琶の覆手を作る


製作中の平家琵琶の覆手を
作っていく様子を少し紹介します

これは覆手の先端と猪目(ししめ)
象嵌するための鼈甲(べっこう)

同じく象牙


先端に貼り付ける鼈甲を切り出し
それを埋め込む溝を彫ったところです

ここからは猪目の象嵌パーツ作り




こうして象嵌したあと
猪目に象牙で目玉を入れ
そこに絃を通す穴を開けます

ほぼ出来上がり
この後輪郭を整え面取りをし
腹板(表板)との接着面を仕上げます

2012年3月13日火曜日

平家琵琶 鶴首と海老尾を仕上げる

鶴首と海老尾を膠接着し

鶴首に出ている芯を一部埋木しました
埋めたのは、この鶴首材にしたカリンの木

木の皮部分を表面に出したかったのですが
面が微妙に合わず、これが限界でした
これで出来上がりとします





2012年3月10日土曜日

平家琵琶の鶴首を仕上げる

製作中の平家琵琶
きょうは鶴首をじっくりと削りました




木の芯はこのように残りました
強度的には全く問題ないし
手に当たって邪魔になるようなこともないので
埋木などはせず、このまま残すことにしました
カリン材が生きていた時の証です

これでこの琵琶の銘も決まったようなものですね
「木芯・もくしん・ぼくしん」とでもしておきましょうか・・

もう少し鶴首を仕上げてから
海老尾を膠接着します
これは仮に収めたもの