2024年3月15日金曜日

19世紀ギター製作 ヘッドとネックの加工

 

19世紀ギターのヘッド加工

刃先が複目の縦挽き鋸が
威力を発揮してくれました

銘は中屋定次郎でしょうか
  










そして鉋で厚み出し
荒削りは清忠銘寸二


仕上げ削りは大巖銘寸八


厚みが決まり
糸巻きを収める穴を開ける

穴開け完了

ヘッドを所定の角度と長さにカット

導突鋸が活躍





そしてネックの加工



ガガリ鋸の銘は

ネックの幅を決める
仕上げ削りは大巖寸八
3日前に研いでかなり使ったが
まだまだ切れる


Vジョイント部分の加工

重利銘鑿nomiも活躍

どっしりとした重量感と安定感で
安心して削ることができる

2024年3月14日木曜日

鉋改造 寸八鉋削り比べ


これは豆平鉋を改造した
隅突き鉋

こちらは内丸鉋を
剣先鉋に改造しているところ



これは先日紹介した端材オブジェ

狛犬のコマッタくんのところへ
置いてみた



19世紀ギターのネックを加工する際に
鉋の削り比べをやってみた

使った鉋は
先日紹介した碓氷健吾作大巌銘寸八
古い会津鉋 重則銘寸八


動画撮影後の刃先
これくらいの削りでは
刃先の変化は
ほとんどありません

大巌銘寸八

重則寸八

初代金井芳蔵寸八

その後、大巌銘寸八で
粘りのある桑材を荒削り


桑材削り後の刃先
刃先はまだまだ健全です

2024年3月13日水曜日

GitternギッテルンとQuinternクィンテルン

江戸時代初期の絵師
岩佐又兵衛(勝以katsumochi)
のことを調べてみようと思って
手に入れた古書
世界恐慌が始まって間もない
昭和6年(1931年)にこのような
論文が出版されているのに驚かされる




この論文集のなかに
「14世紀に於ける伊太利(イタリア)の
音楽”Ars nova“に就て」
というのがあったので
目を通していたら、クィンテルネ
という文字があった
はて?クィンテルネとは
17世紀に出版されたプレトリウスの
音楽大全に掲載されている
Quinternaのことだろうか・・
と気になったので
こういったことに詳しいギタリストの
西垣林太郎さんに教えを乞うた
教えによると、大雑把に言うと、
15世紀頃はリュート以外のネックのある
撥弦楽器をギッテルン(Gittern)と
呼んでいたのだそうです
GitternはQuinternとも呼ばれていて
ですから紹介した論文にある
14世紀イタリアの天才的オルガン奏者の
ランディーノが他に演奏していた
クィンテルネは

このような楽器であった可能性大です



Gitternギッテルンと
Lautenラウテン(リュート)の特徴として
リュートは背面部が細長い薄板(リブ)を
貼り合わせて作られているのに対して
ギッテルンの背面部は一本の木材から
彫り出して作られています
この動画の楽器は
現在再現されたものなので
背面部は一木造りではなく
リュートのようにリブを
貼り合わせて作られています

ランディーノが演奏していた
楽器の説明 参照サイト

17世紀に出版された
プレトリウスの楽器大全で
紹介されているQunterna

拙作のクィンテルナ