2013年2月8日金曜日

小熊・廣貞と東廣貞削り比べ

小熊・廣貞の寸六鉋身を手に入れていましたが
同じ作者が打ったと思われる裏金が見つかったので取り寄せてみました

裏金の幅と身の幅はピッタリ合いました





そういうことなので二枚刃鉋として台を作ることにしました






手前が台に収めた小熊・廣貞(鋼は東郷鋼と思われます)


奥は東廣貞(鋼は安来(やすぎ)鋼・青紙)


この二丁で削り比べをやってみました
動画参照ください



動画で削った板は製作中のBox-harpの
響板にするヨーロッパ・スプルースとインド産ローズウッドです
上の画像は小熊・廣貞寸六
寸六といっても身幅は68mmあります
現在では寸八は身幅70mm~72mm、寸六が65mmが一般的ですので
そのちょうど中間サイズということになります



こちらは東廣貞寸八(身幅70mm)
動画では最初に小熊・廣貞を使いましたが
スプルースを含め、削る音の違いがお分りだと思います
削った手応えもずいぶん違った感じを受けました
刃角度は小熊・廣貞が約27度で東廣貞が約29度
削った印象は刃角度29度の東廣貞の方が軽く感じました
小熊・廣貞は東郷鋼独特の粘りを感じます



削り肌はどちらも同様で、荒削りでも逆目はほとんど止まっています




動画を撮り終えた時点での刃先の状態も
どちらも同様で、まだまだ切れは止んでいません






左端はBox-ハープのミディアム・サイズの響板で
野村隆哉研究所で熱化学処理してもらったものです

右の2枚は大型サイズの響板(未処理)と裏板ですが
これは左利き用として作っていきます


2013年2月6日水曜日

長光銘寸八鉋を仕事で使ってみました


長光銘鉋身寸八、二枚のうち一枚を
一枚刃鉋に仕立て、仕事で使ってみました
刃角度は約28度







まずセドロを削ってみました
動画参照ください


切れは軽く、削り肌に問題はありません


セドロは刃先が摩耗しやすいのですが
荒削りから中削りをかなりの量やりましたが
刃先はまだまだ大丈夫です


刃を研ぎ直して、今度はBoxハープの響板にする
ヨーロッパ産スプルースを仕上げてみました
動画UPしました


長光の本領発揮といったところか・・




これも美しい削り肌を得ることができました


動画撮影後、そのままの状態でさらにセドロ材を
かなりの量を荒削りしましたが、まだ切れは止んでいません
充分永切れしてくれます
刃先の摩耗の仕方も全体が均一に摩耗しています


これは古い安来鋼・青紙が使われた
千代正銘の寸八鉋ですが
仕上げにちょっと使っただけで
ここまで摩耗し、部分的に細かく刃こぼれが見られます
ですが、セドロ材を削るとほとんどの鉋はこうなってしまうのです


長光銘寸八を研ぎ上げる

先に紹介した3点の長光銘鉋のうち
寸八鉋身を研いだ際の動画をUPしました

これは裏出しをした状態でまだ裏押しは行っておりません



刃角度を28度ほどに修正しました

以下、動画で使った砥石を紹介していきますが
これらは現時点で主力として使っているものです




最初に使っているのは浄教寺・赤砥
粒度は約#800
やや粒度にムラがありますが
研ぎ易さと強い研磨力は魅力です






次に使っているのはおそらく群馬県砥沢産の沼田虎砥と思われます
これも研ぎ易く、粒度は安定しています
粒度は約#1200






そして中研ぎの最終段階として使ったのは
新潟産の笠堀砥
目起こしをして使うとすばらしい研磨力を発揮してくれます






仕上げげ研ぎは仕上砥石の名門
京都梅ヶ畑・中山産の戸前
強い研磨力があり、ザクザクとした研ぎ心地にもかかわらず
鋼は鏡面ちかくまで仕上がります






最後の鏡面仕上げは
さゞれ銘砥からお世話になった
中世中山産の合砥


地・刃ともに冴えわたります




裏の状態



長光銘鉋を3点入手


長光銘の鉋身を3枚手に入れました

左端は寸四(身幅60mm)、右2枚は寸八(身幅72mm)
画像は裏出しと裏押しを済ませた状態で
刃も研ぎ上げてみました
鋼はどれも炭素鋼系で、研いでいて鋼に粘りを感じました



寸四には台が付いているので
まずこれを使ってみることにしました

刃先1,5mmほどを研ぎ角度約28度に修正しています

台は使い込まれた形跡があり
表面がかなり傷んでいたので
全体に鉋をかけ、木地を出しました


以前使っていた人が釘でも削ってしまったのでしょうか
削り面に深い傷が付いていました

台を調整し、ハカランダ材を削ってみました
動画参照ください

切れ味軽く、荒削りでも逆目がほとんど止まっています

このハカランダはそれほど堅さはないので
これくらいの削りでは刃先はまだまだ大丈夫です