2013年5月14日火曜日

千代鶴是秀作藤四郎銘寸四追入ノミを研ぐ


播州・日原大工の棟梁が使っていた
千代鶴是秀作と思われる
藤四郎銘・寸四追入ノミを研ぎ上げました






裏の画像向かって左の刃先
もう一息で角が決まりますが
これ以上攻めないことにしました


最終仕上げは丹波亀岡・一本松産戸前を使いました


刃先がやや荒れていますが
これは研ぎ方に問題があるのかもしれません
今後の課題としておきます


この組鑿の中では最も幅の広いものです
下の物差しは尺貫法のもので、刃幅は一寸四分あります


因みに寸八鉋は身幅は約7cmですが


削る幅が一寸八分(約5,4cm)あるので
寸八鉋といいます(参照下さい



2013年5月12日日曜日

長光鉋と重道鉋の削り比べ


長光銘寸六(身幅63mm)を研ぎ上げ
仕事で使ってみました


ベタ裏になっていたので
ディスク・グラインダーで透き直し
鋼の深い錆もなんとか除去できました
鋼は炭素鋼系


研いだ感じでは鋼の強靭さに期待を持てそうです・・


刃先も美しく研ぎ上がりました


これで長光銘の鉋が4丁揃ったことになります








古い会津鉋・重道寸六と削り比べをやってみました
動画UPしました
削った板は製作中の19世紀ギターLaprevotteタイプ
裏板になるMaple材1枚板 


左が長光寸六(炭素鋼系)、右は重道寸六(炭素鋼系)





削ったMaple材1枚板
燻煙熱化学処理を施したもの







長光は刃先はほとんど変化はありません
さすが長光といったところでしょうか





画像では分かりにくいですが
重道の方は刃先が白く摩耗しています


2013年5月11日土曜日

藤四郎銘組鑿の 八分追入ノミを研ぎ上げ


千代鶴是秀作と思われる「藤四郎」銘組鑿の
八分(刃幅24mm)追入ノミを研ぎ上げました
六分(刃幅18mm)鑿の研ぎはこちら








最終仕上げは7日に森砥石さんから分けてもらった
中山産の浅葱を使ってみました





植野記念美術館に足を運ぶ


ここ丹波篠山の北隣に位置する
丹波市氷上町にある植野記念美術館に行ってきました
道中、山々は藤の花が満開でした








途中柏原かいばら町のKATASHIMAで休憩・・








日本洋画のさきがけの画家たちの展覧会
藤島武二はやはり何度見ても出色している印象を受けました
熊谷守一は1点だけの展示でしたが
他の画家たちが西洋の影響をおおきく受けているなかで
熊谷守一はそれを昇華させ、独自の世界を築き上げているのは
さすがだと改めて感じました(参照


2013年5月10日金曜日

古い鉋身、國行銘寸六を入手


古い寸六鉋身(身幅約65mm)を二枚入手
左は國(国)行銘、右は長光銘
どちらも鋼の錆が深いのでちょっと心配でありました

まず國行銘寸六からやってみることに・・
(長光寸六は後日報告の予定)
裏を出し研ぎ上げてみました
何とか錆は除去できたようです


刃先から4mmほどを刃角度約27度に角度修正しました
鋼は特殊鋼系と思われます
ということは、この國行は初代國弘の弟子の一人である
息子の國行が鍛えたものではないということになります

刃先は焼きがよく入った東郷鋼によく見られる感じで
ややザラついています

ブビンガ材の掘り台が手に入ったので
それに収め早速仕事で使ってみました

削った板は製作中の19世紀ギター、ウィーン・タイプの裏板

荒削りをやってみましたが、切れは軽く
深いCurly Mapleの逆目もほぼ止まっています


刃先がやや白く摩耗していますが
まだまだ切れは止んでいません

反対面を初弘寸六(安来鋼・青紙)で削ってみましたが

こちらはかなり刃先が摩耗しています