古い寸八・長台鉋(身幅72mm)をゲット
砥ぎ上げて台を修正し、さっそく仕事で使ってみた
銘は「浪花Naniwa 淩作Ryosaku」か・・
銘の左下の刻印は判読できない
身の背にHigh speed steelの刻印が打たれているので
ハイス鋼が使われていると思われますが
裏出しは何とか可能で、研ぎ上がりは
現在のハイス鋼とはずいぶん違った印象を受けます
強靭なハイス鋼なので
荒研ぎと中砥ぎには人造砥を使用
使ったのは以前紹介した
シャプトンの「刃の黒幕」シリーズから
grit320→ grit1000→ grit1500
そして中砥ぎの最後に、硬口の備水砥を
目起こしをして砥汁を残したまま使いました
仕上砥ぎに使ったのは
さゞれ銘砥さんからお世話になった
この梅ヶ畑産天井巣板
この天然仕上砥は現代製のハイス鋼には
よく反応するが、この鉋では反応が鈍い
そういうことなので、目起こしをして
砥汁を残したまま研ぎ上げました
鋼の砥ぎ上がりは現代のハイス鋼とはかなり違い
ピカリと光る程度に砥ぎ上がる
これは東郷鋼の犬首に似ている感じですね・・
できるだけ切れが軽くなるように
刃角度は約26度で砥ぎ上げてみました
刃先の拡大画像(約100倍)。
取りきれていない返りが
粘り付いているのが確認できます
台の表面を削って汚れを除去した状態
材は赤樫か・・
下端Shitabaがほとんど狂っていないのには驚かされた
台の修正を終え、刃物椿を染み込ませた状態
出来上がり
刃口がやや広すぎるが
何とかセーフ
製作に取りかかった平家琵琶の腹板(表板)を削ってみました
材は大阪の橘商店からお世話になった見事な杢のタモ材
堅めの材質で強烈な逆目が交じっていることもあり
切れはやや重く感じるが、削り肌に問題はなく
やや荒めの削りでも逆目はほぼ止まっている
タモ材の片面を仕上げた後の刃先の状態
やや白く磨耗しているがまだまだ切れる
カチリとした材質のタモ材を削っても
この状態なので、刃先はかなり強靭で
永切れも期待できそうです