2012年12月14日金曜日

特注トーレス・タイプ完成 Torres


これから何か重要なことをしようとしたら
必ずお出ましになる・・

ナットを収める溝を彫っているところ

完成
フレッティングはSuzuki音律 弦長645mm 重さ1500g
(右クリックで別ウィンドウで画像を開くと
大きなサイズで見ることができます)

ボディはやや薄め


響板はチェロ用材から切り出したもで
野村隆哉研究所で燻煙熱化学処理をしてもらったもの






2012年12月8日土曜日

工房の様子




今回製作している3台のギターは
フレッティングはどれもSuzuki音律


左はこれまで主に使ってきたSuzuki音律「文殊・もんじゅ」
右はギターでよく使う調の主要和音の長三度を
「文殊」よりもさらに狭くし
響きが美しくなるように設計された「是空・ぜくう」
フレットの曲がりはこれが限界か・・





猫はちょっと仕事の監視をした後は
居心地のよいところで・・・




2012年12月3日月曜日

晩秋の播州への旅


兵庫県たつの市御津町室津にある
室津海駅館で行われていた特別展が終わったので
展示依頼を受けていた自作の平家琵琶の
搬出に行ってきました
以下の画像は道中に撮影したもの

山陽自動車道のパーキング・エリアで


龍野インターで下り
途中、揖保川の河原で遊んできました


河原の石で仏足を・・中央の写真は
室津にある賀茂神社で見つけた石で作ったもの



賀茂神社への参道


















これは山門の装飾
下は裏側





これは海に面する崖に建てられている摂社の彫刻


賀茂神社境内から海を眺める・・




サルタヒコも祀られています・・
サルタヒコとカモ(賀茂)・・

2012年11月30日金曜日

桂川地蔵記の影印本を入手


桂川地蔵記の影印本を手に入れました
これは今年の5月に八木書店から
出版されたものですが
室町時代中頃、応永年間に
京都桂川沿いにある地蔵が奇瑞を起こし
それが発端で始まったとされる
桂川地蔵信仰の様子を見聞風に記しながら
当時の事物を書き並べたものです
これは当時の武家の教養書として
出回っていたようで
八木書店から出された影印本は
室町時代末、弘治四年(永禄元年・1558年)
書き写されたものが底本とされています

その一部を紹介しますが
この部分は当時使われていた楽器が
記されているところです
楽器の名を書き出してみますと
蜀郡ショクキンの鶴瑟カクシツ、秦シンロウの鳳管、
ショウ、笛チャク、琴キン、箜篌クゴ
琵琶、鐃ニョウ、胴鈸ドウバチ
小鼓、大鼓、編木ササラ
以上ですが、知らない楽器が多いですね・・
蜀郡の鶴瑟や秦楼の鳳管などは
中国伝来の楽器と思われますが
判然としません・・

これは正倉院に所蔵されている断片を基に
復元された箜篌クゴです(写真の奏者は摩寿意英子さん)
この楽器が室町時代にも
存在していたのでしょうか・・
興味が湧くところであります

それから、この部分は当時の
刀鍛冶の銘が挙げられているところです
紹介しますと
以往イニシエの鍛冶、天国アマクニ
神息カンヌキ、藤戸フヂト菊作キクヅクリ
粟田口(京都)には藤林トウリン、藤次トウジ
林次リンジ、林三リンゾウ、国綱、国吉、
三条(京都)小鍛冶宗近ムネチカ、来国俊、国光、
法師鍛冶には定秀ジョウシュウ、雲秀、了戒リョウカイ
備前の国(岡山県東部)に長光、景光カゲミツ
三郎国宗、五郎守家、長船オサフネの一党
備中ビッチュウの国(岡山県西部)貞次、盛継モリツグ、葵作り
伯耆ホウキの国(鳥取県西部)真綱サネツナ
筑紫(福岡県)には三家ミケの田多デンタ
鬼神大夫キシンタイフ行平ユキ ヒラ、波平ナミノヒラ
谷山、石貫イシヌキ、金剛兵衛コンゴウビョウエ
奥州(陸奥ムツ国・本州北東部)には舞房マイフサ光長、
鎌倉には新籐五、彦四朗、五郎入道、九郎次郎、
南都(奈良県)には千手院センジュイン、文殊モンジュ四朗、
一文字、中次郎、尻懸シッカケ、当麻タイマ作り
当世(室町時代中頃)の作者、信国、国重、達磨、藤島
その他、出雲鍛冶、後鳥羽院十二月番鍛冶など

ここに挙げられている刀工銘にも
今の刀剣解説書などに
登場しない銘が多くあります

備中国の盛継は守次、葵作りは青江作りと
解説されています
筑紫国は紹介されている刀工銘から
九州全般として紹介されているようです
そのなかの三家田多は
現在一般的に呼ばれている
三池典世太光のことと思われます

鎌倉の五朗入道は日本刀の
代名詞とも言える正宗のことです

奥州の舞房は舞草モクサ鍛冶
のことと思われますが
刀剣研究家の佐藤矩康氏が
指摘していられるように(参照
舞草鍛冶は日本刀のルーツと思われ
古墳などから出土する
蕨手(ワラビテ)刀も
作刀していたようです

参考までに、これは埼玉県の
将軍山古墳から出土している大刀です
(同じ刀身の裏表の画像、切先部と
物打部を合成したものです)
時代は6世紀前半とされていますので
古墳時代後期ということになります
刃の部分が叢雲ムラクモのように見えます
日本古来からの三種の神器の一つに
天叢雲剣がありますが
その名の由来は、もしかして
このような刃中の景色が
叢雲のように見えたため
かもしれません

この短刀は現代の刀工、天田昭次氏作
鎌倉時代の名刀に匹敵する出来です

2012年11月29日木曜日

晩秋の丹波篠山


今朝の丹波篠山
動画をUPしました


工房近くの黒大豆畑
正月用の黒豆として出荷される前に
このように天日干しされます
あいにくここ数日天気が悪く
今日も朝から曇りでした
奥の木に止まっている二羽の鳥はトンビ



畑によって干し方が様々で興味深い・・







工房に戻る途中
葉が落ちた枝にムクドリが群れていたが
カメラを向けると一斉に飛び去ってしまった
勇気があるのか鈍感なのか
残ったのはこの二羽だけ・・