2014年12月24日水曜日

檜ヒノキの実と焼き但馬砥

これは20日前、12月4日に撮影したもの
近所の神社に植えられている
檜の木の下に落ちていた小枝です
実が付いていて興味深いので
拾っていたのです

これは今朝の様子
20日経っても葉の緑は深く
枯れる様子はありません
生命力に驚かされます

実は松ポックリのようになっているようで
開いたところから種が落ちていました

土に埋めたら芽が出るのかナ・・?

さて、こちらは石油ストーブに
乗せている
小振りの但馬砥

砥石の上でお湯を沸かすことも
できるくらいの温度です

数日後、青砥のような色に
変化していました

左は同じサイズの但馬砥で
焼いていないもの

水に濡らした状態


但馬砥よりも小振りなので
反対面も同様の色に変化していました
長さ約18cm、幅約7cm、
厚み約4.5cm

反応も良くなっていました


このブログ記事をお読みになって
試してみようと思われた御方は
以下の点にご注意下さい

試される際には
水に濡れた状態からいきなり焼くと
割れたり、破裂する危険もありまかすから気を付けて下さい
それから、粘板岩質の仕上砥石や
青砥は層の中に含まれている
空気や水分によって
破裂する可能性が大きいようですから
その点もご注意下さい

2014年12月22日月曜日

清忠銘寸二鉋を二種類の台で削る 深い杢のWalnut削り

12月19日にYouTubeにUPした動画
画像を紹介しておきます
この動画では先日紹介した清忠銘寸二鉋身を
二種類の台を使って削ってみました
最初に二枚刃台(九分勾配・約43度)で荒削りを行い


次に58度勾配の一枚刃台で仕上げ削りを行いました


深い杢とさ強烈な逆目も止まっています
こういう使い方もありかもしれませんね・・


動画撮影後の刃先の状態
まだまだ切れは止んでいません



こちらは昨日の近所の様子
朝は小雨がパラパラしていましたが
この時、午後3時頃は日が差していました




工房裏の様子


上の写真はこれら4枚の小鉋を研いだ後
一服した際にブラリと外に出て撮影したものです



2014年12月21日日曜日

清忠銘寸二鉋を入手 鉋身の仕込み角度について 

ここのところ、堅木の木口を削ることが多くなったので
仕込み角度の大きな鉋を手に入れてみました
鉋身の銘は清忠(寸二・身幅約5cm)


刃角度は約30度
東京鉋仕様で身が薄く作られていますが
作者はおそらく新潟与板の関川さんでしょう・・
清忠は問屋銘と思われます

鋼は特殊鋼系、青紙1号あたりでしょうか
焼き入れも強靭で、研ぎ上げるのにやや苦労します


鉋身の仕込み角度は約58度

一枚刃です

軟材削りでも問題なく使えます

深い杢と逆目の交じったウォルナット材を削ってみました

一枚刃でも逆目を完全に止めることができますが
刃を少しでも出し過ぎると
極端に切れが重くなるので厚み減らしには使えません
仕上げ削り専用、といったところでしょうか・・

硬く、粘りの強いホジュラス・ローズウッドを
斜め木口状態で削ってみました

問題なく削ることができます

ホンジュラス・ローズウッドの木口削り
かなり切れが重く、ちょっと無理かな・・という感じです

刃先は強靭で、このような状態でもまだまだ
切れは止んでいません
そういうことなので、これを通常の鉋として使ったら
どういう能力を示してくれるのか
大いに興味が湧いたので

同じサイズの古い鉋台に収めてみることにしました
赤樫台で、仕込みは九分勾配(約43度)

身が薄いので「馴染み」に別の板を接着


出来上がりました


ホンジュラス・ローズウッドを荒削りしてみました
YouTube動画UPしました

動画では一旦削った板を削っていますが
これは最初の撮影で、どういう訳か
カメラのスイッチが切れてしまったので
再度取り直したためです
ですから実際は10分くらい削りました

動画撮影後の削った板の状態
荒削りでこれくらい逆目が止まっていれば御の字です
節交じりの強烈な逆目部分も問題なく削れています

刃先はかなり磨耗していますが
まだ切れは止んでいません
かなり強靭な刃先です

その後、燕鋼の寸三鉋(身幅55mm)で仕上げました

仕上げた状態
強烈な逆目もほとんど止まりました

さて、仕込み角度の大きな鉋を手に入れたのは
堅木の木口削りに使うためだったのですが
実際に使ってみると、切れがかなり重く
思ったように削るのは無理がありました
これは現在堅木の木口削りに使っているもので
左は荒削り用のハイス鋼鉋・寸三(身幅55mm)
二枚刃ですが、木口削りの際は
押金を利かせずに使っています

右は古い会津鉋、重道銘・寸四(身幅6cm)

鋼は玉鋼と思われますが
切れは鋭く、粘りの強い堅木の木口でも
サクサクと削ることができます
これには大変助かります

ハイス鋼は刃先が強靭なので荒削りに使っていますが
切れが重いので、仕上げは重道を使っています

全体の平面出しには羅生門銘・寸八(特殊鋼系)が
威力を発揮してくれました

昔の優れた和鋼は切れが鋭く
刃先が白く磨耗した状態でもよく切れてくれます
この小刀は室町時代頃の短刀の先端を使って作ったものですが
粘りの強いホンジュラス・ローズウッドでも軽く削ることができます
これを使った後に現代製の小刀を使うと
かなり切れが重く、コントロールも効きにくいので
ついついこのこの小刀を使ってしまうのです
この小刀は竹を削ってもサクサクとよく切れてくれます

ホンジュラス・ローズウッドの木口でも
コントロールよく削ることができます

右はハイス全鋼小刀
黒檀などさらに強靭な木を削るときは
これを使いますが
やはり切れが重いので
ホンジュラス・ローズウッドくらいは
和鋼の小刀の方が威力を発揮してくれます