昨日紹介した重春銘の鉋身を研ぎ上げました
グラインダーで形成した際には分からなかったのですが
鋼の厚みに余裕があるので
先端はもっと反らせてもよかったかも・・
研ぎに使った砥石群
右から荒研ぎ用人造砥石(粒度#400程度)
その左は産地不明の天然中砥(粒度#600ほど)
その左も産地不明の中砥(粒度は#(800~1000)
その左は丹波亀岡・岡花産青砥(硬口・粒度#1200ほど)
左の2丁は仕上砥で、右は丹波亀岡丸尾山産・天井巣板(内曇)
左端は京都梅ヶ畑・中世中山産戸前
さっそく試し削り
最初に軟材から、30年ほど寝かせたヨーロッパ・スプルース
玉鋼独特のザラつきがあるものの切れは悪くない
次にやや堅めで粘りがあり
深い杢と逆目が交じったウォルナット材
スプルースを削るよりは切れは軽く感じる
削り肌も問題なし
次に粘りの強いソフト・メープル材
これも問題なく削ることができる
他の優れた小刀に比べると、切れはやや重いかなという感じ
最後に堅木でしかも粘りの強い
ホンジュラス・ローズウッドを削ってみた
以前紹介したように、玉鋼は
こういった堅く粘りが強い材に威力を発揮してくれる
柄が付いた3丁は日本刀の短刀から
特殊小刀に作り変えたもの
左端は藤井刀匠作の短刀
その右は江戸時代後期頃と思われる短刀
右端は室町時代後期頃と思われる短刀
これらと比較しても切れ具合や刃先の強靭さは
ほとんど遜色ありませんが
堅木を削った際に刃こぼれがあったので
ちょっと焼戻しました(約180度で30分ほど)
それから、先端の反りがもう少し欲しいところなので
先端だけ裏を研ぎ直しました
研ぎ直した状態
これで仕事で使えそうです
ということで、さっそく楽器の修理・修復で使ってみました
修理を終えた状態
特に、こういった削りの際に
先端が反り上がっていると大変助かるのです
3 件のコメント:
日本刀は地金ー鋼ー地金のサンドイッチ(諸刃?)になっていると思いますが、片面の地金を削り落とすのでしょうか?
コメントありがとうございます。
藤井刀匠の短刀は切刃造になっていて片刃状ですが
全体が玉鋼で造られているので、どのような形状にも出来ます。
他の2丁の一つは鎬造、もう1丁は平造で
どちらもご指摘のように皮鉄-芯鉄(刃)-皮鉄のサンドイッチ状になっていますが
どちらもそのままの状態で使っています。
リンクの画像参照下さい。
http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/6/6e/Image20swjp.jpg
田中さん、ありがとうございます。構造も様々なんですね。
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