以前紹介した「鉇」という字について
通常この字はヤリガンナと読みますが江戸時代後期の絵師鍬形蕙斎は職人絵の説明で台鉋を使っている大工のところで鉇としています。
それについて何かの間違いではないかと思っていましたが、江戸時代中頃宝暦五年(1755年)に出版された匠家必用記では鉇にカンナとルビが振ってあります。ということは鍬形蕙斎が台鉋のことを鉇としているのは間違っていなかったということになります。
因みに江戸時代中頃に出された和漢三才図会では鉋という字はツキガンナとし、ヤリガンナには鐁という字を当てています。