身が短い鉋を納めるところに
木片を貼り付けて
鉋を納めやすいようにしました
ついでに、この木片を加工する際に
四丁の鉋で削り比べを行ってみました
使った木は建築用のスプルース
材質は重めで粘りのあるものです
こようなスプルースはクラシックギター用の
響板や部材としては使えませんので
こういった、作業場の造作などに使っています
長さ30cm、幅8cmほど、厚み22mmの
木片を荒削りしていきます
削り屑の厚さはコピー用紙ほどです
まず、初代か二代か不明の炭素鋼系寸八
一枚刃(参照)の登場です
刃角度は約24度
焼き戻しをしてからは、この鉋は好調で
刃角度の影響もあると思いますが粗削りでも軽く
調子よく削ることができます
削り肌も荒削りとも思えない滑らかさです
次に同じく昨日登場した炭素鋼系一枚刃の寸八
石社鉋です(刃角度28度)
初弘に比べるとかなり切れが重く感じます
刃角度の影響でしょうか・・
削り肌は美しく問題ありません
これも昨日登場した
1977年製スウェーデン鋼の
無銘・常三郎寸八 刃角度は約27度
この鉋独特の鋭い切れ味で
心地よく削ることができます
藤井刀匠作の玉鋼寸八の登場です
刃角度28度
これも軽い切れですが上の常三郎鉋よりは
切れ味に粘りを感じます
切れの軽さは常三郎とほとんど同じでしょうか・・
ということは、石社一枚刃とは刃角度が同じなので
石社鉋は切れが重いということになります
この後、木片を仕上げるまで
常三郎スウェーデン鋼と
藤井刀匠玉鋼を交互に使っていきました
木片が仕上がった時点の
スウェーデン鋼の刃先の様子
切れはまだまだ止んでいません
こちらは玉鋼の刃先
こちらもまだまだ健在です
交互に使っても切れ味の違いは明瞭ですが
切れの軽さはほぼ同じ感じを受けます
甲乙付け難しといったところでしょうか・・
以上、炭素鋼系寸八4丁による削り合わせの結果
左端の初弘が最も優れていました
次にその右のスウェーデン鋼・常三郎
と藤井刀匠・玉鋼が並んで次席
右端の石社鉋は今回のスプルースでは
他のものに水を開けられてしまいました