2009年12月25日金曜日

丸尾山砥石恐るべし

久しぶりに砥取家さんを訪れました
国道372号線が亀岡市に入って間もなく
左折し、北東に進むと丸尾山が見えてきます
工房からは車で30分ほどで行けます

このあたり一帯はあちこちに砥石山があり
優れた砥石として知られている神前産(こうざき)の砥石山もこのすぐ近くにあります(神前産の砥石は、現在は掘られていません)
また、優れた中砥である丹波青砥も、ここから
ほど遠くない所で採掘されているのです


砥取家さんのすぐ近くには
このように杉の大木が聳えていて
大内神社があります
まずここで挨拶をし、砥取家さんに向かいます


掘り出してきた原石を加工する作業所の脇に
試し研ぎのための砥石が所狭しと並べられています


今回は、強靭な特殊鋼の鉋(かんな)を研ぐための
中継ぎ用の仕上げ砥石を探しにきました
23日に述べたように
硬めで力のあるものはないかと
あれこれと試させてもらいました


そして、2枚の仕上げ砥石を手に入れました
これはそのうちの1枚で、丸尾山の
八枚層のものだそうです
23日に紹介した産地不明の優れた砥石
よく似た反応を示してくれました

この砥石は緻密で透明感があり
大理石のように見えます。砥石は見ただけでは判らない
典型のようなものでした。筋は全く当たりません


研磨力も申し分なく、1分ほどで
中砥の#1500の傷をほぼ消すことができました
私はこの後鏡面仕上げをしますが
このままでも充分使えます



そして、これは御主人もいつのものか判らない
というほど古い仕上げ砥石で
四代続いている砥石採掘の御先祖の
誰かが掘ったものだろうということです
採れた山は丸尾山ではないということです
このような砥石は、これまで見たことがありません


裏と側の様子ですが
側は今のように機械で挽いたものではなく
手鋸で挽いたものだそうです

これは上の八枚層のものより硬い砥石ですがよく反応し
強い研磨力があります


これも1分ほどで中砥の傷を消すことができました
申し分なしの仕上がりです


刃先の拡大写真


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