来年製作する平家琵琶の
撥面の絵は立山連峰を描く
予定なのですが
そのことにいろいろと
考えを寄せていたら
ふと、「岩を見よ。
棟方志功を見よ」
というインスピレーションを
得たので
さっそくこのような
鑑賞石を入手
幅20cm程度のものですが
その存在感は素晴しい
東尋坊の絶壁のようでもある・・
反対面の様子
側の様子
水晶の玉を乗せてみた・・笑
手に入れて1週間ほど
経ちますが
作業をしながら
毎日眺めています
そして以下は版画家
棟方志功の画集から
そしてこれは棟方志功の孫
石井頼子さんの著書
「言霊の人 棟方志功」
それに目を通していて
おや、と思ったのは
「善知鳥Utou」について
書かれたところ
その件は能の善知鳥を
題材に製作された
棟方志功の「善知鳥版画巻」の
紹介文でもあるのですが
最初に藤原定家の
「陸奥(みちのく)の
外の浜なる 呼子鳥
鳴くなる声は善知鳥(うとう)
安方(やすかた)」
が紹介されており
青森県には善知鳥神社がある
とも記されていたのです
さっそく善知鳥神社を
ウェブ検索したら
なんと、青森市の
安方というところに
鎮座しているのです
参照:善知鳥神社サイト
藤原定家の歌の
「鳴くなる声は 善知鳥安方」
そのままではないですか・・
また、善知鳥は青森県の
古名でもある
ということなのです
能の善知鳥は、旅の途中の僧が
越中(富山県)立山で
漁師の亡霊と出会うところから始まりますが
その立山を琵琶の撥面に
描こうと思っていた
ところなので
少なからぬ驚きを
感じたのであります
雨晴海岸から望む立山連峰
以下、棟方志功の
「善知鳥版画巻」の部分
そしてこちらは
青森市安方に鎮座する
善知鳥神社(YouTube動画から拝借)
社紋は善知鳥と思われます
境内にはこのような
石碑があるのですが
これにも驚きました
猿田彦命と月夜見命が
並んでいる・・
このことでまず連想したのは
道祖神としての猿田彦と
天鈿女(あめのうずめ)ですが
この石碑の月夜見命は
天鈿女命の代わりになって
いるのでしょうか・・
月読命は
古事記・日本書紀では
伊邪那岐(いざなぎ)神が
禊(みそぎ)を行った際に
右目を洗ったときに
生まれたとされていますが
その後の様子はまったく
触れられていません
月読命の兄弟とされる
左目を洗ったときに生まれた
天照大神
そして鼻を洗ったときに
生まれた
素戔男尊(すさのおのみこと)は
多く記述されているのと
対照的です
月夜見命は通常は
月読命と書きますが
伊勢神宮の外宮にある
月夜見宮と
同じ表記になっています
月夜見宮の祭神は月読命で
内宮にある月読宮と
同じ祭神となっています
ここのところは
紛らわしいのですが
竹内文書を口伝で受け
継いでおられる
73代・竹内宿禰である
竹内睦泰氏は
著書「古事記の宇宙」で
古事記の序文に記されている
「帝皇日継(すめらみことのひつぎ)」
は帝皇日嗣(ていおうひつぎ)のことで
正統竹内文書のことである、
としていますが、この帝皇日嗣では
ツクヨミノミコトと呼ばれる神は三柱いて
それぞれ表記が、月弓命、
月読命、月夜見命
となっているのだそうです
その他、月には新月、満月、
上弦の月、下弦の月
など様々な呼び方がありますが
月の満ち欠けの数それぞれに
月読命が存在している
としています
そのことを反映してか
全国にある月読命に
因んだ神社には
月読神社、月夜見神社、
三日月神社、月宮神社、
大月神社、月神社、指月神社、
小月神社、夕月神社、
月之宮神社、月出神社、
月守神社
月形神社、明月神社、
弓月神社があり
最後に紹介した明月神社と
弓月神社は
ここ、丹波篠山にあります
弓月神社からリンクした
サイトでは
「弓月神社は西暦283年に
来日した秦氏の王弓月君と
関係があるのだろうとし、
弓月の君は、シルクロードに
あったユダヤ系キリスト教国の
弓月国出身と思われる」
と説明されていますが
先に紹介した竹内睦泰氏は
正統竹内文書の口伝では
月読命はある事情から
日本に居づらくなって
中国大陸に渡り
その後モンゴル高原に行き
月氏国(げっしこく)を作ったと
されている、としています
話が壮大になっていき
その後の展開も
書かれてありますが
詳しく知りたい方は
竹内睦泰氏の著書
「古事記の宇宙」を
ご一読下さい
別の説では月読命は
古代ギリシャの女神
生まれ変わっている
ということも言われています
また、アルテミスは
と同一視されることも
あるようです
話が飛躍してしまいましたが
飛躍ついでに
これを紹介しておきます
これは古代イタリアの
タルキニアの遺跡に
描かれている壁画
(紀元前6世紀頃)ですが
能の善知鳥Utouの
一場面を見ている
ようでもあります
たいへん興味深い・・
次回は猿田彦命と青森
そして善知鳥神社の祭神である
宗像三女神について
述べてみようと
思っているところです
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