2011年8月1日月曜日

青紙鋼鉋の出番


青紙鋼の鉋は切れが重く
私は主力では使いませんが
青紙鉋が役に立つ場合も当然あります

製作中のこの二台のラプレヴォット・タイプ
サウンド・ホールの装飾には真黒の黒檀を使います
それを接着した後、響板全体を鉋仕上げしますが
このときには青紙鋼の鉋が役に立ちます





真黒・黒檀を炭素鋼の鉋で削ると
刃先が細かく欠ける場合が多く
そのまま使うと柔らかいスプルースに
刃欠けの筋痕が残るのです
その点、青紙鋼はあまり心配がありません
とくにこの二代目・金井鉋の鋼は甘めなので
二台分の響板を何の問題もなく
仕上げることができました
これには助かります





4 件のコメント:

R さんのコメント...

おはようございます!!
サウンドホールは表板を張り合わす前にあけるのですか?
(-m-)
朝からKIYONDさんの大好きなせみくんたちが大合唱しています。(^0^)

楽器製作家 田中清人 さんのコメント...

サウンドホールの切り口に黒檀を接着するので
先に切り抜いておきます。

こちらも今年は蝉が多いですね・・
今はニーニーゼミとアブラゼミががんばっています。
クマゼミはまだ1回しか声を聞いていません。
あ、今また1匹鳴き始めました・・
ちょっとした林や森ではヒグラシが多いですね。

匿名 さんのコメント...

http://www.mane-ana.co.jp/katana/hinsyutu-towa200.htm
刀鍛冶の年齢を調べてたら上記のようなものを見つけました。
清麿の様に30代で亡くなられた名工もいるし、100才を超える来国俊もいます。

当時としては高齢の方です。
また、面白い分析として、粗製濫造ではなく、出来る人は
仕事も早いということです。
今も昔も出来る人には仕事が多く舞い込み、納期に追われていたのでしょうね。
        源 信正
       

楽器製作家 田中清人 さんのコメント...

日本の仏像彫刻や欄間彫刻の工房では
最も腕のある師匠は、木取りや下絵そして荒彫りを行い、
弟子たちはその後の仕上を担当するということです。
宮大工の世界も同様のようで、故・西岡常一氏も
そういったことを著書などで説明されています。
宮大工の場合は棟梁の役目は設計と材料の調達と
墨付けということになりましょうか・・
ヴァイオリンの名工ストラディバリもおそらく
そうやっていたと思います。
楽器の大まかな音作りを終えてからは
木工作業が主になるので、そういったことを弟子が担当する。
ところが刀工の世界では師匠が最後の焼き入れを行う
というところが大きな違いとなるようですね・・

御番鍛冶制度を設けた後鳥羽上皇は自身の銘を切った
刀も残しているようですが、刀好きとは云え
刀を鍛えることまではできなかったと思われます。
御番鍛冶の仕事ぶりを見やりながら、真似ごと程度の
ことはやったと思われますが、銘を切った刀は
おそらく焼き入れの際、御番鍛冶から渡された
赤めた刀身を水に浸け、焼き入れをしたくらいではないでしょうか・・