これは滋賀県高島・相岩谷産の仕上砥原石
底に抜けがあり、座りが悪いので
座布団(仕上砥の破片)をエポキシで接着
側の様子
石目が斜めになっているので
砥ぎ面はウロコになっていますが
見た目ではそれほど顕著ではありません
ダイヤモンドディスク・グラインダーで
平に荒削りを行い
荒めのダイヤモンド砥石(粒度150)で
仕上げ
層は戸前でしょうか・・
巣板のようにも見えなくもありません
寸八鉋で試し研ぎ
硬口ですが滑らかに研ぐことができます
研ぎ上がりは鋼Haganeはピカリと光りますが
砥ぎ面がウロコ状になっている影響か
全体に白く曇っています
巣板の研ぎ上がりとも言えなくもありません
これは播州の大工さんが使っていた砥石
向こうは青砥で、手前は仕上砥です
側の様子
どちらも手挽きのような跡が残っています
右の仕上砥は黒く見えているのは
カラスではなく、以前塗られていた黒漆のようなものです
層は巣板と思われますが
見栄えはあまりよくありません
一見、鳴滝の木津山産のような印象を受けます
青砥は、おそらく京都亀岡の神前・岡花産と思われます
柾目面に岡花産によく見られる
黒っぽいゴマ状の斑点が入っています
こちらは底面ですが
残念ながら中央に縦に割れが深く入っています
砥ぎ面まで達していますが
瞬間接着剤を流し込んで
今のところ割れは止まっています
寸八鉋を研いでみましたが
やや硬口で、滑らかに研ぐことができ
研ぎ上がりは、針気はほとんどなく
文句なしです
割れているのが何とも惜しいところです
こちらは仕上砥
こちらもやや硬口ですが
滑らかな研ぎ感で、心地よく研ぐことができます
硬口の巣板らしい研ぎ上がりで
地・刃ともに白っぽく曇っていますが
鋼はピカリと光るほどに研ぎ上がっていて
これで充分仕事で使えます
中砥の青砥とこの仕上砥の組み合わせは
理想的と言えます
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