身幅約65mmの寸六鉋
内丸鉋として使われたのか
刃先にアールが付いている
かなり使い込まれ
鋼はあと15mmほどしか残っていない
身の厚みは会津鉋としては厚め
平鉋として使うので
グラインダーで修正
そして、砥ぎ上げた状態
刃角度は約28度
鋼は強靭で、この状態でも
砥ぎ上げるのにやや苦労した
刃先の拡大画像(約180倍)
刃先は整然と研ぎ上がっているが
表面に巣のような窪みが確認できる
このようなものは初めて目にした
肉眼では確認できないので
削り肌には悪影響は及ばない感じではある
砥ぎ上げた裏の様子
銘の「重」の字の中央線が
里から上に貫通しているので
若林重房系の鍛冶職人と思われるが
渡辺重輝銘は初めて目にする
堤章氏の著書「会津の刃物鍛冶」でも
記述はなされていない
最終仕上げに使った仕上砥
古いもので側に手挽きの跡が確認できる
おそらく梅ヶ畑・菖蒲産の蓮華巣板と思われ
石質はかなり硬く、地・刃ともに鏡面に砥ぎ上がる
上の黄板は裏砥ぎ専用の
硬口の仕上砥(梅ヶ畑・中山産)
身が短いので、一枚刃として仕立てることにした
台はカリン材を使う
大まかに表面を削り
墨付け
彫っていく
貫通
身の裏が当るところを決める
出来上がり
さっそく試し削り
これはセドロ材
削り肌に問題なし
次に粘りの強いウィルナット材を荒削り
削り肌も美しい
かなり荒い削りを行ったが
刃先は問題なし
しばらく仕事で使ってみることにする
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