いま使っている「も作」銘寸二鉋(身幅50mm)が
刃がかなり短くなったので
それに代わるものとして、同じ鋼(安来鋼・白紙1号)の
某有名メーカーのものを数ヶ月前に手に入れていたのですが
これがどうも調子が良くない・・
というよりも、これでは仕事では使えない
ギターの補強材にするスプルースをちょっと荒削りしただけで
ご覧のように、刃先がグニャグニャと変形している
もちろん切れは止まっています
銘にはモザイクをかけましたが
研いだ感じも焼きが甘すぎるかなという印象が強い
小鉋とはいえ価格は安くはない
だが、こういったものは返品は利かないだろうから
自分で焼き入れをやり直してみることにしました
焼き入れの様子は以前YouTube動画をUPしましたので
そちらを参照下さい
ということで焼き入れを決行し
画像は焼き戻しをしているところ
炭素分が多い鋼の特性を活かすため
低めの温度、約170度で1時間ほどやってみました
焼き入れでの歪みを修正するのに
やや苦労しましたが
何とか研ぎ上げてみました
研いでみて、以前よりも強靭さを感じます
刃先は問題ありません
焼き戻しもうまくいったようです
ということで早速他の鉋を含め寸二鉋3丁で
削り比べをやってみました
以下はその画像です
製作中の19世紀ギターの補強材にする
スプルース材を荒削り
も作・寸二
勘兵衛・寸二
そしてウォルナット材を荒削りしました
も作
勘兵衛
3本の動画撮影後の刃先の状態です
これは某有名メーカーの寸二
刃先はほとんど変化はありません
かなり強靭になり、永切れするようになりました
そして「も作」銘・寸二のもの
上に比べると、やや刃先が摩耗しています
切れはまだ止んでいません
3丁めは、古い大阪鉋「勘兵衛」銘・寸二
これは炭素鋼系ですが
時代から判断しておそらく玉鋼と思われます
やや焼き入れが甘いので
3丁の中では最も刃先が摩耗しています
以上、これで焼き入れをやり直した鉋は
何とか仕事で使えるようになりました
4 件のコメント:
なるほどこのグレードの小鉋でもそんな事があるんですね〜
ハチさん、コメントありがとうございます。
残念な事実ですが、世間様の要求が甘くなっているのかもしれませんね・・
私のところのように刃物にシビアな要求をする方が酷なのかもしれません・・
ですが、昔の鉋の方が優れているという事実は見過ごしてはならないと思います・・
温度管理はきっちりとされているはずだと思いましたけど実際に使ってみないとわからないトコロもありますからね...勉強になりました。
あ、昔の鉋と言えばこの間長光銘の鉋身をゴミの山から見つけました。
お、長光を手に入れられましたか!
使われたらぜひ報告をお願いします。
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